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映画『情婦』の解説(ネタバレ有)愛に生きた女の強さ

情婦

こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

第25回の movie labo情婦です。

情婦画像引用元:ⓒ United Artists

1958年公開のミステリー映画。117分。

監督ビリー・ワイルダー 、脚本ビリー・ワイルダー、ハリー・カーニッツ。
原作はアガサ・クリスティーの短編小説『検察側の証人』。

舞台劇としてブロードウェイやロンドンでロングランだった作品を、ビリー・ワイルダーが映画化しました。

舞台の影響からかシーン数はとても少なく、台詞が多くて早い印象です。

主人公のウィルフリッドを演じたチャールズ・ロートン、看護婦役のプリムソルを演じたエルザ・ランチェスターは実生活のパートナーというのも面白いですね。

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映画『情婦』のヒーローズ・ジャーニー

まずはヒーローズ・ジャーニーを見てみましょう。
「ヒーローズ・ジャーニーって何?」いう方はこちらの記事をどうぞ!!
『ヒーローズジャーニー』とは。映画研究の準備

ヒーローズ・ジャーニー
『ヒーローズジャーニー』とは。映画研究の準備こんにちは。 akira(@akira_movielabo)です。 今回の『movie labo』は、前回に引き続き導入編です。...

日常世界

弁護士のウィルフリッドが退院し、仕事に戻る。

冒険への誘い

ウィルフリッドにエミリー・フレンチ殺人事件の弁護を依頼する被告のレナード。状況はレナードにかなり不利であるが、犯行を否定するレナード。

冒険の拒否

しかしまだ病明けのため、断るウィルフリッド。

賢者との出会い/戸口の通過

情婦画像引用元:ⓒ United Artists

レナードの妻クリスチーネが会いに来る。レナードのアリバイを証言するが、レナードとは重婚であり妻ではないと話すクリスチーネ。

好奇心が勝り、自分が弁護すると決めるウィルフリッド。

試練、敵、味方

レナードの裁判が始まる。レナードに不利な証言ばかり出るが、ウィルフリッドも巧みな弁護をする。

最も危険な場所への接近

検察側の証人としてクリスチーネが呼ばれる。

最大の試練

情婦画像引用元:ⓒ United Artists

クリスチーネがレナードのアリバイを崩す証言する。

報酬

レナードを証人として呼ぶウィルフリッド。クリスチーネに裏切られて同情を誘うが、アリバイはない。

帰路

情婦画像引用元:ⓒ United Artists

クリスチーネに男を奪われた女性から、クリスチーネの直筆の手紙を手に入れるウィルフリッド。その内容は、レナードと別れるために嘘の証言をする、というものだった。

復活

ウィルフリッドはクリスチーネに手紙を突きつけ、認めるクリスチーネ。レナードは無罪判決になる。

宝を持って帰還

情婦画像引用元:ⓒ United Artists

手紙を渡した女性はクリスチーネが変装した人であり、わざと嘘をつくことで陪審員を同情させたと話すクリスチーネ。真実はレナードがエミリーを殺していた。

しかしレナードは別の女性に恋をしており、クリスチーネと別れようとする。

裏切られ、利用されたクリスチーネはレナードを殺す。ウィルフリッドはクリスチーネの弁護をすると決める。

映画『情婦』のテーマ

クリスチーネは愛ゆえに重罪を犯してまで嘘の証言をし、愛ゆえに裏切ったレナードを殺しました。

そもそも結婚していたにも関わらず、レナードを愛した女性です。

愛には恐るべき力がある」のです。

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映画『情婦』をさらに詳しく

「ヒーローズ・ジャーニー」ともう一つ大切な要素「三幕構成」を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。
法廷に裁判官が入廷します。

法廷が舞台の映画なので、あいさつ代わりの提示ですね。

続いてウィルフリッドとプリムソルが登場します。

二人の掛け合いには退院したという説明とともに、常に皮肉のユーモアが入っていてとても面白いです。

家に到着したウィルフリッド。皮肉屋で口の悪いウィルフリッドですが、スタッフの出迎えで、周囲から愛されている、杖に葉巻を隠すように、言うことの聞かないキャラクター、病気明け、そして仕事の虫である弁護士ということがわかります。

一通りの説明が終わると同時に、メイヒューとレナードが尋ねてきて、ストーリーが始まります。

この時点で話を聴くように変化したのは、ただたばこが吸いたかっただけでしょう。

ウィルフリッドに事件を説明する形で観客にも説明されます。

かといって説明だけでなく、たばこのユーモア、レナードの回想、片眼鏡のテストなどを織り交ぜてシーンが進んでいきます。

必然的に会話が多くなりますが、とてもスピーディーに繰り広げられており、一瞬も見逃せません。

さらにブローガンやハーン警部が現れ、展開していきます。

どちらも遺産の情報、レナードの逮捕と状況を変える要素をもたらしています。

そしてブローガン以外が家を出たとき、重要なキャラクターのクリスチーネが登場します。

クリスチーネの謎めいた発言がウィルフリッドの好奇心を駆り立て、事件を担当することを決める。これが第一ターニングポイントです。

序盤隠していた葉巻を見抜いて没収したプリムソルが、最後にはウィルフリッドの葉巻に火を付ける。

シーンの中で立場を逆転させ、本気になったウィルフリッドは誰よりも強いと印象づけています。

しかもここまで30分経ったにも関わらず、回想以外では車内と家だけのシーンしかありません。

同じ場所の中ですが、キャラクターを出入りさせながら話を展開させ、事件の中で説明すべきことはすべて提示する。凄いです。

第二幕

レナードの裁判が始まります。ウィルフリッドが法廷に入るなり的確な異議を続けて行うことで、弁護士としての能力の高さを表しています。

様々な証拠や証言が出てきますが、ことごとく論破するウィルフリッド。

時間経過を説明する方法は、時計や日の傾きなどいろいろありますが、錠剤を使っているのが面白いですね。同時にウィルフリッドの余裕も感じさせます。

一度使用人のジャネットに論破されるのも面白いです。

しかしクリスチーネの決定的な証言が出てしまう。さらにレナードの海外旅行の証言まで出てしまい、窮地に立たされてしまいます。

が、謎の女性からクリスチーネの嘘を暴く手紙を入手する。これが第二ターニングポイントです。

第三幕

そして怒涛のラストへ。最後の数分ですべてが逆転し、真実が暴かれる展開はさすがアガサ・クリスティーであり、脚色も鮮やかです。

裏切られたクリスチーネはレナードを殺します。

オープニングで「女王陛下、万歳」とあり、裁判所には「正義の女神」の像が建てられています。

しかしこの映画において最も強い「女性」はクリスチーネだったのです。

さいごに

60年以上前に公開された、モノクロの映画。なのに抜群に面白い。

結末がわかった上でもう一度観ても面白い。

そしてクリスチーネを演じたマレーネ・デートリッヒの変装・演技には、本当に驚かされました。

これぞ傑作映画ですね!

次回の記事は少し空いて、3月上旬ごろを予定しています。

深田恭子・土屋アンナ主演の『下妻物語』を研究します!

– fin –

ABOUT ME
akira
akira
1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」で連載スタート。 生粋のリバプールファン。
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