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映画『マイレージ、マイライフ』の解説(ネタバレ有)挫折することで人生に大切なものを見つける場合もある

マイレージ、マイライフ

こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

第71回movie laboは『マイレージ、マイライフ』。

2009年公開のコメディドラマ映画。
監督ジェイソン・ライトマン、脚本ジェイソン・ライトマン、シェルドン・ターナー。109分。ウォルター・カーンの同名小説を原作とした作品。

第82回アカデミー賞で6つのノミネート、ゴールデングローブ賞で脚本賞を受賞。そのほか多くの賞を受賞しています。脚本だけでなく演技や音楽など様々な分野で評価されており、本作のレベルの高さを感じさせます。

映画『マイレージ、マイライフ』のヒーローズ・ジャーニー

それでは、ヒーローズジャーニーを見ながら研究していきましょう。

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ヒーローズジャーニーって何?
という方はこちらの記事をどうぞ!!

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。

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日常世界

会社の代わりに解雇通告を伝える仕事をしているビンガム。アメリカ中を出張し、マイルを貯めることが生きがいになっている。

冒険への誘い

偶然出会ったアレックスと意気投合し、お互い割り切った関係になる。

会社が出張を廃止し、新人・ナタリーが発案したオンラインでの方法に変えようと考える。

冒険の拒否/賢者との出会い

オンラインを否定するビンガム。仕事がわかっていないとナタリーを論破する。

戸口の通過

ナタリーと出張し、経験を積ませるように指示されるビンガム。二人の出張が始まる。

試練、仲間、敵

妹の結婚式の企画を手伝いながら仕事をするビンガム。現実を知りながらも仕事を頑張るナタリー。

最も危険な場所への接近

ナタリーが彼氏にフラれて取り乱す。アレックスと合流し息抜きを楽しむビンガムたち。

最大の試練

アレックスを本気で相手にしないビンガムに怒るナタリー。

報酬

オンラインでの面接を始め、仕事をやり遂げるナタリー。オンライン方法が正式に決まる。

ビンガムはアレックスを妹の結婚式に誘い、デートをする。

帰路

仕事を放り投げ、アレックスの元へ向かうビンガム。しかしアレックスには家族がいた。アレックスと別れるビンガム。

目標だった1000万マイルを成し遂げるビンガム。

ナタリーが解雇通告した人が自殺したと知り、ナタリーは仕事を辞める。オンライン方法も凍結された。

復活

マイルを妹夫婦のハネムーンのために譲る。ナタリーの就職の推薦状を書いたビンガム。

宝を持って帰還

再び出張が始まる。

映画『マイレージ、マイライフ』のテーマ

ステータスではわからない幸せがある 』。

これがテーマです。

アレックスと最初に出会った時のセリフに、『ステータスが好きな私たちはお互いチープよ』とあります。

当初1000万マイル貯めることがビンガムの夢でしたが、いざ達成してもビンガムが幸せそうには見えません。機長との話もいざ迎えてみると何も話したいことがありません。ステータスに表れない大切なものを見つけることが本作のテーマです。

ナタリーが示したようにアレックスのおかげで恋人や家族の大切さに気付くビンガム。結果的にアレックスと別れましたが、映画の冒頭と結末ではステータスは変わっていなくとも(むしろアップグレードされていようとも)、内面は真逆のように変化しました。アレックスとの関係は失敗し、環境の変化の結果はありませんでしたが、気づいたことが重要です。

そして解雇通告をされた人々とも重ね合わせているのが凄いですね。挫折しても人生の大切なものに気付き、かすかな希望に向かって生きていく。さらに誰しもが前を向ける訳ではないという現実の残酷さも無視せずしっかりと描ききっています。

映画『マイレージ、マイライフ』をさらに詳しく

『ヒーローズジャーニー』ともう一つ大切な要素『三幕構成』を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。
アメリカを上空から見た映像。マイル集めがモチーフなので、飛行機からの視点で。洒落た音楽とともにゆったりと映画の世界に導きます。映画のトーンも伝わってきますね。

続いて仕事をするビンガムの視点で、不満を爆発させる従業員たち。会社の代わりに解雇通告するという特殊な仕事を実際に見せることで説明。ゆったりしたオープニングから怒る人々へ映るギャップも面白く、さらに続けて解雇される人々をユニークに紹介するビンガムもまたギャップで面白いです。仕事に慣れ、仕事を完璧に遂行するビンガムのキャラクターも表れていますね。パッキングや空港での所作一つ一つにも滲み出ています。

空港が家。まさにビンガムを象徴するセリフです。

『バックパックの中身は?』という講演をするビンガム。講演をするほどの人物ということがわかり、講演内容にもビンガムのキャラクターを表しています。自分の信念を講演という形で観客に説明する。とても自然な説明ですね。

地名とともに空からの映像。説明とともに観客が一呼吸落ち着ける瞬間でもあり、後半になると行き先だけでビンガムの思考を説明するようにもなっています。自分は知りませんが、アメリカの地域ごとの人々の特性を知っているとより意味がありそうですね。

アレックスと仲良くなる方法もカードを見せ合うこと。面白いアイディアですね。

ナタリーのプレゼンも映像を用いることでとても分かりやすいですね。優秀さも伝わってきます。そしてバディを組むビンガムとナタリーの初対面は当然最悪です。

ビンガムがナタリーと出張にいくことが決まる。これが第一ターニングポイントです。

第二幕

妹夫婦のパネルがうまくパッキングできない。ナタリーがいる。ビンガムの世界に違和感が生じ、変化の予兆を感じさせます。

機内で仕事内容を船にたとえて話すビンガム。的確に仕事の本質を捉えていますが、ナタリーにはまだ伝わりません。ビンガムの仕事ぶりを見て仕事に対する考えは変わりますが、ビンガムを象徴するマイル集めには全く共感しません。これは映画全体を通して扱うテーマなのでまだまだ対立し続けます。

ナタリーがホテルのど真ん中で号泣する。お堅いナタリーがこんな目立つ場所で号泣するのは面白いですね。しかも理由がフラれたこと。中身はまだまだ若い女性です。

ナタリー自身に恋愛で問題があったからこそ、ビンガムの結婚観やアレックスに対する価値観に口出ししても自然に思えますね。

アレックスを交えて3人で話すシーン。ナタリーはポイントが高かったと事細かに外見や持ち物を話し、アレックスは笑顔が素敵など内面的なことを話す。アレックスは人生の幸せを知っていそうだとミスリードしていますね。

朝食のシーン。ナタリーが遊んだ相手と翌朝黙って出たと言い、別れもテクが要ると返すビンガム。アレックスとの別れのシーンの伏線になっています。

妹の結婚式にアレックスを誘う。これが第二ターニングポイントです。

第三幕

ジムの騒動をビンガムが持ち前の能力を使って解決し、結婚式を楽しむ二人。

姉のセリフにある『やっと家族ね』という意味で『welcome home』と表す言い回し、こういうとこ英語っておしゃれですよね。

大企業の講演を放り出し、シカゴに飛んだビンガム。レンタカーのカード提示を忘れるという細かいながらも大きな変化を表していますね。アレックスと別れの電話。別れの際は全部メールか電話と徹底されていて面白いです。

ラストシーン。オンラインは凍結され、再び出張が始まる。ビンガムがバックパックから手を話す。ありふれた行動ですが、この瞬間のこのカットはビンガムの心は仕事から離れたことを表しています。

さいごに

解雇通告の仕事とマイル集め、二つのモチーフを掛け合わせ人生の大切なものを描いたとても面白い脚本。映画のテンポや音楽なども適切で満足度の高い映画でしたね。

次回も『U-NEXT』と『Primeビデオ』で配信中、ジェイソン・ライトマン監督で今度はシャーリーズ・セロンとタッグを組んだ『タリーと私の秘密の時間』を研究します!

お家映画をもっと楽しくしたい人は、ぜひコチラの記事も読んでみてください。

ABOUT ME
akira
1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」で連載スタート。 生粋のリバプールファン。
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