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映画『トイ・ストーリー2』の研究(ネタバレ有)永遠の名声か、愛する人とのひと時か。ウッディの最も大切なものとは

トイ・ストーリー2

トイ・ストーリー2画像引用元:ⓒ Disney

1999年公開のCGアニメ映画。92分。監督ジョン・ラセター、脚本アンドリュー・スタントン、リタ・シャオ、ダグ・チャンバーリン、クリス・ウェップ。

トイストーリーシリーズ2作目。ディズニーの続編の慣例で、当初はビデオとDVDのみの発売でしたが、その出来の素晴らしさにディズニーを説得して、劇場公開に変更されたようです。

1作目は友情や社会を描きましたが、2作目・3作目と「おもちゃが背負う運命」に注目していきます。

日常世界

トイ・ストーリー2画像引用元:ⓒ Disney

アンディに愛されているウッディやバズたち。しかしウッディの腕が破れてしまい、ウッディを置いてキャンプに向かうアンディ。ウッディはショックを受けてしまう。

冒険への誘い

ヤードセールに持っていかれた仲間を助ようとするウッディ。

おもちゃコレクターのアルに見つかり、持っていかれてしまう。

バズはアルの店を調べ、仲間とともにウッディを助けに向かう。

冒険の拒否/賢者との出会い

アルの家から逃げようとするウッディの前に、ジェシー、ブルズアイ、プロスペクターが現れる。

戸口の通過

自分がとても価値のあるおもちゃだと知るウッディ。

試練、仲間、敵

トイ・ストーリー2画像引用元:ⓒ Disney

しかしウッディは日本の博物館に飾られることは嫌がり、アンディの元に戻ろうとする。

主役のウッディがいなければジェシーたちは再び倉庫に戻らなければならず、2人は対立する。

最も危険な場所への接近

バズたちはアルのおもちゃ屋にたどり着く。

最大の試練

トイ・ストーリー2画像引用元:ⓒ Disney

ジェシーと仲直りしようとするウッディ。かつてジェシーにもエミリーという素晴らしい持ち主が居たが、成長し、興味を失われ、捨てられた過去があった。

一方バズたちはアルを見つけ、アルの家を知る。

そしてウッディの売買は成立してしまった。

報酬

ウッディはジェシーたちを裏切れないと、ともに博物館に行くと決める。仲直りするジェシーたち。

バズたちがウッディと再会するものの、ウッディの考えは変わらない。

仕方なく帰っていくバズたち。

帰路

悩むウッディ。アンディのことを思い直し、ジェシーらも連れて帰ろうとする。

だがプロスペクターが反抗し、さらにアルが戻ってきてウッディたちを空港に持っていく。

復活

トイ・ストーリー2画像引用元:ⓒ Disney

バズたちは空港に向かい、ウッディを助ける。

プロスペクターは芸術肌の子どもの元に送られた。

ジェシーらも救出し、ともにアンディの元へ。

宝を持って帰還

アンディはジェシーらにも名前を書き、新たな家族となった。

ウッディは未来を心配もせず、今をたくさん楽しむ。

 

『トイ・ストーリー2』のテーマ

プロスペクターがウッディに訴えます。

アンディが遊んでくれることがいつまで続くのか。今は信じられませんが、ジェシーの持ち主だったエミリーのように、アンディも成長したらいずれウッディ達を捨てるかもしれません。

博物館に飾られれば、一生皆から讃えられ、大事に扱われるでしょう。

しかしそれはバズの言う通り、おもちゃの幸せなのでしょうか。アンディと別れてまですることなのでしょうか。

 

自分にとっての幸せは、
名誉と愛する人との時間、どちらなのか?

 

答えのない2択。
もちろんこれは観客にも共感できるテーマでもあります。

 

『トイ・ストーリー』をさらに詳しく

「ヒーローズ・ジャーニー」ともう一つ大切な要素「三幕構成」について詳しくしてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。
バズがザーグの星に降り立ち、地下基地に潜入。ザーグと戦うが、敗れてしまう……というゲームをしているレックスとバズ。

ウッディはアンディとのキャンプのためになくした帽子を探している。

帽子は見つかったが、アンディと遊んでいる最中に腕が破れてしまい、アンディはウッディを置いていくことに。ショックを受けるウッディ。

最初のアクションで観客をつかみにいっています。今回はザーグも登場するので、その説明にもなっています。そして基地の中の宝を手に入れることが、ウッディ救出自体を模していますね。

テレビゲームの登場も、アンディの成長と時代の変化を表しています。

アルのCM、ウッディの足の裏に書いてある名前、犬のバスター、そして「おもちゃの寿命」にかかわる腕が壊れることなど、説明すべきことを多くオープニングで提示しています。

持ち去られたアンディはアルの家でジェシーたちと出会います。

彼らはおもちゃの運命や倉庫を経験し、その恐怖をウッディに教えるので、賢者としての役割をしています。プロスペクターはその後悪役になるひねりとして使われ、ジェシーとブルズアイ自体には変化のドラマを与えています。彼らも博物館よりも、子どもと遊ぶことを選ぶのです。

ウッディの誘拐からストーリーは二つに分かれ、ウッディは自分がとても価値のあるおもちゃと知る、バズたちはウッディを助けに向かう、という第一ターニングポイントを迎えます。

ウッディは内的のストーリーを描き、それだけでは映像として動きやアクションのない物語になってしまうため、代わりにバズたちに危険な旅、外的なストーリーをさせています。

第二幕

アルの家が23階。アンディの家の2階というだけでおもちゃには困難でしたが、さらに大きな障害になっています。

ジェシーたちにも、最初はジェシーと対立させる、プロスペクターは落ち着いた年配者に見せることで関係にうねりを作っています。

アクションのない分、人間関係の変化を使っているのですね。

おもちゃ職人のシーンもあまり見ない仕事なので引き込まれますね。

アンディの名前を消すことで、アンディのものではなくなったと意味しています。

プロスペクターが「外の世界は危険だ」のセリフの後にバズたちのシーン、ウッディがアルから腕を取ろうとしたときにテレビが点く、その直後にプロスペクターが箱ごと落ちる。

など、細かいところにもフリをいれ、強調させています。

アルと博物館とのウッディの商談は、それぞれのシーンの最初に織り込むことで、自然と説明されています。

アルは悪役ではありますが魅力的には描かれていないので、わざわざそのためにシーンを作ると、説明だけのシーンになり、退屈に感じると思います。

面倒な説明は映画の冒頭や、シーンの最初、シーンの最後に付け足すと効果的ですね。

バズたちがウッディと再会するシーン。
ウッディとバズの口論は、テーマを表し、どちらも正しく、答えはありません。

だからこそ魅力的なテーマでありシーンになっています。口論を聞きながら、観客自身も考え、悩み、そしてウッディはどう答えを出すのか知りたくなるのです。

どこかでアンディのもとに帰るとわかっているのですが、それでも気になってしまうのが葛藤・ドラマのパワーです。

ウッディとバズが再会、つまり内的ストーリーと外的ストーリーが集約。

そしてウッディは再びアンディの名前を見つめ、帰る決意をする。これが第二ターニングポイントです。

第三幕

プロスペクターが本性を現し、ウッディがアルに連れていかれます。

空港に向かうウッディたちを救えるかどうかというアクションシーンが続きます。

ザーグとの攻防、車の運転、貨物室でケースを探す、プロスペクター、飛行機からの脱出、たくさんの障害を乗り越えていきます。

ウッディの番組自体も伏線となっていたのですね。

無事にアンディの家につき、アンディを出迎えるウッディたち。

アンディはジェシーもブルズアイも受け入れます。

さいごに

ラストはウッディなりに答えを出しましたが、根本的な問題・アンディが成長したらおもちゃたちはどうなるか?は解決されていません。

物語は『トイストーリー3』に続くのです。

次回は『トイストーリー3』を研究します。

 

– fin –

ABOUT ME
akira
akira
1990年生まれ。SNSとは無縁の人。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」で連載スタート。 生粋のリバプールファン。
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