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映画『東京ゴッドファーザーズ』の解説(ネタバレ有)ホームレスが巻き起こすクリスマスの大騒動

東京ゴッドファーザーズ

こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

第62回のmovie laboは東京ゴッドファーザーズ』。

東京ゴッドファーザーズ

2003年公開のアニメ映画。
監督今敏。脚本信本敬子、今敏。92分。

東京国際アニメフェア2004アニメアワード・コンペティション劇場部門優秀作品賞田監督賞・美術賞など、多くの賞を受賞しました。

今敏監督の長編映画第3作目で、1948年公開の『3人の名付け親』から着想を得た映画だそうです。

映画『東京ゴッドファーザーズ』のヒーローズ・ジャーニー

それでは、ヒーローズジャーニーを見ながら研究していきましょう。

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ヒーローズジャーニーって何?
という方はこちらの記事をどうぞ!!

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。

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日常世界

クリスマスイブの東京。中年のギン、おかまのハナ、家出少女のミユキ。3人はホームレス生活をしている。

冒険への誘い/賢者との出会い

ゴミ置き場で捨てられた赤ちゃんを見つける3人。ハナがきよこと名付ける。

冒険の拒否

警察に届けるようにギンとミユキは説得し、渋々受け入れるハナ。

戸口の通過

自分も親に捨てられたと話すハナ。きよこの親を探し、なぜ捨てたのか聞くと決める。

試練、仲間、敵

きよこの親を探す3人。

最も危険な場所への接近

道中、ヤクザと知らずに助ける3人。きよこの母・幸子の手がかりを得るためにヤクザの娘の披露宴に参加する。

最大の試練

披露宴での暗殺に巻き込まれてしまう3人。ミユキは犯人の人質になり連れて行かれ、追いかけるギンとハナ。

報酬

さまざまな偶然が重なり幸子の家を突き止めるが、すでに夜逃げしていた。

ミユキは父を刺してしまい、家出をした過去がある。再会する3人。

ギンは幼い頃に別れた自分の娘と再会し、ギンを想ったハナとミユキはギンを置いて去っていく。

帰路

幸子に会い、きよこを返すハナたち。

復活

ギンが幸子の引越し先を尋ねる。幸子は他人の赤ちゃんを盗み、夫が勝手に捨てていたことがわかる。ギンはミユキたちと再会し、逃げる幸子を追いかける。自殺しようとした幸子を救い、きよこを取り戻す。

宝を持って帰還

きよこが本当の家族の元に戻る。ミユキは偶然、父と再会する。

映画『東京ゴッドファーザーズ』のテーマ

主人公であるミユキ、ギン、ハナはまるで家族のように擬似的に描かれ、物語が進むにつれてそれぞれの本当の家族たちとの関係が描かれていきます。

ギンの娘・きよこはハナの暴言を聞いてもギンと一緒にいようとし、ミユキの父もエンジェルを家に戻すことでミユキを許しています。身内のいないハナですが、かつて働いていたバーのママのことを『お母さん』とよび、ママもハナの失態を許しています。

家族の絆は何よりも強い

これがテーマです。

擬似家族のミユキたちも本当の家族ではありませんが、家族といえるような関係の強さを持っていますね。

監督の今敏も、『ホームレスは家を失った人というだけでなく、家族を失った人という意味で捉え、本作は失った家族との関係を回復する物語と言って良い』を語っています。

また主人公たちはホームレスであり、作中でも『居ても居なくてもいいクズ人間』というセリフが何度も出てきますが、物語の上でどんな人でも意味のないことはない、というメッセージも含まれていますね。

映画『東京ゴッドファーザーズ』をさらに詳しく

『ヒーローズジャーニー』ともう一つ大切な要素『三幕構成』を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。
赤ちゃんの人形。『きよしこの夜』を歌う子どもたち。神父の説教を聞いているギンとハナ。配給をもらい、ミユキと合流。

クリスマス、ホームレスの設定とギン、ハナ、ミユキのキャラクターを音楽に乗せて鮮やかに説明。

赤ちゃんのオープニングも映画のメインを象徴していますね。3人は仲がとてもいいわけでもないですが、お互いに助け合って生きていることがわかりますね。

きよしを見つけ、タイトルへ。背景に紛れてスタッフを紹介していて面白いですね。

他にも何気なく描かれている背景の窓やエアコンは顔の形のように配置されています。

舞台である『東京』自体も重要なキャラクターであり、東京が彼らを見守っている。というイメージです。

ギンの身の上話と、ミユキの雑誌への文句が同時進行で描かれています。家族の幸せと不満の対比ですね。ギンの話は嘘でしたが、家族への愛に違いはありません。

親を見つけると言うハナ。これが第一ターニングポイントです。

第二幕

コインロッカーで手がかりを得る3人。ここでも駅前ということで一般人の出勤の朝との対比になっていますね。鍵の番号やタクシーのナンバーが『1225』のクリスマスなど、随所にユーモアが紛れています。

披露宴での騒動をきっかけに、バラバラで行動することになるミユキたち。

人数を変化させて飽きさせない工夫がありますね。同時にそれぞれの個人的なストーリー(ミユキの家出した理由、ギンのご祝儀、ハナとタクシー運転手)も展開されていきます。ミユキが家族の過去を告白する相手がお母さん、というのもテーマに沿ったチョイスです。

ギンと娘・きよこの話から、ハナの激怒へと。ワンシーンにひねりを加えています。

幸子にきよこを返す。これが第二ターニングポイントです。

第三幕

幸子の夫にギンが会うことで全ての謎がとけ、第三幕はアクションシーンが中心となっていきます。

競輪選手やタクシーの運転手などの伏線を回収しながらクライマックスへ。幸子の夫の叫びも、西澤夫婦の家族愛を描いています。

ラストシーン。宝くじの伏線回収し、ミユキは父と再会。全てはきよこが起こした奇跡の物語でした。

さいごに

92分とは思えない内容の濃い物語。随所にユーモアが溢れ、普遍的なテーマの家族を描く。『偶然』が重なる奇跡の物語で都合がいいかもしれませんが、ここまで重なると開き直れますし、アニメという表現なので許されますね。素晴らしい映画でした!

次回はU-NEXT』で配信中、『ブロブ』を研究します!

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1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」で連載スタート。 生粋のリバプールファン。
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