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映画『遊星からの物体X』の解説(ネタバレ有)閉鎖された極限空間での人狼ゲーム

遊星からの物体X

こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

第58回のmovie labo遊星からの物体X』。

遊星からの物体X

1982年公開のSFホラー映画。
監督ジョン・カーペンター、脚本ビル・ランカスター。109分。

1951年の『遊星よりの物体X』に続く短編小説『影が行く』の二度目の映画化で、さらに2011年には前日譚である『遊星からの物体X ファーストコンタクト』も作られました。

映画『遊星からの物体X』のヒーローズ・ジャーニー

それでは、ヒーローズジャーニーを見ながら研究していきましょう。

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ヒーローズジャーニーって何?
という方はこちらの記事をどうぞ!!

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。

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日常世界

南極基地にいるアメリカ観測隊。ヘリ操縦士のマクレディ。

冒険への誘い

犬を殺そうと追いかけてきたノルウェーの観測隊がアメリカ基地までやってくる。
見境なく撃つノルウェー人たちは隊長に殺される。

冒険の拒否

ノルウェー基地に向かったマクレディたち。
基地は戦闘で破壊されたが、死体や何かを発掘した痕跡や資料が残っていた。燃やされた異形な生物の死体。

戸口の通過

逃げてきた犬がエイリアンに変身し、襲い始める。火炎放射器で燃やすマクレディたち。

試練、仲間、敵

エイリアンは他の生物に完全に同化することができることが分かる。
ノルウェー観測隊が発掘した場所に向かい、宇宙船を見つけるマクレディ。

最も危険な場所への接近

残された資料からエイリアンは一滴の血から同化することができると分かる。
発見した死体が動き出し、隊員を襲う。

最大の試練

同化しかけている隊員を見つけ、燃やすマクレディたち。
このままでは人類滅亡になると気付き、防ごうと移動手段や通信設備などを壊しながら暴れる学者を捕まえ、閉じ込めるマクレディ。

報酬

疑心暗鬼状態になる隊員たち。すでに同化した隊員が次々と襲ってくる。
マクレディはエイリアンの血自体が生きていると気付き、それを利用してテストをする。

帰路

捕らえた学者は逃げ出しており、基地の発電施設を破壊してしまう。

復活

エイリアンの冬眠を防ぐために基地を爆破を決意し、死を覚悟してエイリアンを道連れにするマクレディ。

宝を持って帰還

基地とエイリアンを爆破。マクレディと途中で姿をくらました隊員だけが生き残る。

映画『遊星からの物体X』のテーマ

閉鎖された空間で、誰がエイリアンか信じられないという設定が面白い本作。
そして最後は果たして人類が勝ったのか負けたのかは明確に描かれていません。

冒頭、PCでチェスをしているマクレディは負けると酒を被せてPCを壊します。
南極でも不自由なく暮らせる。気に食わなければ簡単に壊せる。

そう人類は思い上がっていると解釈することができます。

思い上がった人類の末路

人類は一匹の生物で簡単に滅んでしまうのです。

映画『遊星からの物体X』をさらに詳しく

『ヒーローズジャーニー』ともう一つ大切な要素『三幕構成』を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。地球に向かう宇宙船。

のちにわかることですがこのシーンは何万年も前のことです。しかし説明がないと現代に起きていることのように捉えてしまいますね。今回はこの認識のズレは利用していませんが、他の映画では使われることもあります。

ちなみにタイトルロゴは1951年版と同じもののようです。

逃げる犬を追いかけて殺そうとするノルウェー隊員たち。

観客は動物は基本的に善に思ってしまうもので、その犬を殺そうとする人間は悪に認識します。

それを逆手に実は犬が悪役だったとひねりを加えていますね。

南極基地が舞台となりますが、全景や構造や部屋の位置などはわかりません。

あえてそのようなわからない空間にしてどこに誰がいたのかわからないようにしているのかもしれません。

同じようにキャラクターたちも明確に説明をしません。ただ雑なのか、もしくは省略しただけかもしれませんが。

誰も説明のない中でマクレディだけはPCを壊すシーンを入れることで、彼が主人公だとはっきりさせています。

ヘリを飛ばすマクレディ。主人公のマクレディがいなくなった基地で低音の音楽とともに犬を映す。それだけで何か犬に秘密があるとわかり、続いて隊員の部屋に入ることで何かが始まったことがわかります。

第一幕ではさまざまな手がかりを見せて何が起きているのかというミステリー要素を持たせています。

南極基地は閉鎖空間でしかも医者や学者、ダイナマイトや火炎放射器があっても不自然ではない、という素晴らしいシチュエーションですね。

犬がエイリアンに変身する。これが第一ターニングポイントです。

触手が出たり虫っぽかったり変な液体飛ばすし気持ち悪い音出すしで、嫌いなものが全て詰め込まれたエイリアンですね…

第二幕

エイリアンの能力やノルウェー基地の残した資料などが次々と明らかになっていきます。

犬だけでなく人間にも同化するとはっきり見せ、今度は誰がエイリアンなのか?という新たな問題が生まれ始めます。

エイリアンとの対決だけでなく人間同士の争いも起きてしまうことがとても面白いですね。

嵐までに決着をつけるという制限時間をつけることでより緊迫感が増します。

主人公のマクレディすら信じられない状況。人間だったクラークをも殺してしまう状況まで落ちていく。

ワンシーンでも観客をほっとさせるような瞬間はなく、常に重く緊張感のある場面が続いていきます。

エイリアンを冬眠させないように命を犠牲にして基地を爆破するマクレディたち。
これが第二ターニングポイントです。

第三幕

基地を爆破し、エイリアンも爆破するマクレディ。

最後に現れたチャイルズは果たして人間なのかエイリアンなのか。

答えは出ていませんが、ヒントとして撮影監督のディーン・カンディはインタビューにて『物体を表現するために眼に光が入らないよう、通常の人間は生命の輝きとして眼に光点(ハイライト)を入れるようにした』と語っています。

さいごに

どの時代でも面白く感じる設定に、ジョン・カーペンターが作り上げた世界観(と低音の音楽)、ロブ・ボッティンがデザインしたエイリアンの造形が楽しませてくれる素晴らしい作品でした。

次回はU-NEXTで配信中、アレクサンダー・ペイン監督の『アバウト・シュミット』を研究します!

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