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映画『マトリックス』の解説(ネタバレ有)これはフィクションではない。現代社会をSFで描き出した傑作 

マトリックス

こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

第61回のmovie laboマトリックス』。

1999年公開のSFアクション映画。監督・脚本ウォシャウスキー兄弟。136分。

アクションシーンでは日本のアニメや武道の影響を受けており、また香港アクションやワイヤーアクションの技術が使われ、その後のハリウッド映画にも影響を与えました。

有名なスローモーションは『バレットタイム』と呼ばれる視覚効果で、本作で広めました。

『マトリックス』の言葉の意味は、母体や基盤、そこから何かを生み出す背景、です。

今は二人とも性転換手術をして、ウォシャウスキー姉妹になっています。
脚本を書いたマイク・ホワイトは主人公の親友ネッド役として出演しています。

映画『マトリックス』のヒーローズ・ジャーニー

それでは、ヒーローズジャーニーを見ながら研究していきましょう。

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ヒーローズジャーニーって何?
という方はこちらの記事をどうぞ!!

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。

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日常世界

昼はプログラマー、夜はネオと名乗るハッカーとして生きていたトーマス。夜は眠れず、世界は夢ではないかと違和感を覚えている。

冒険への誘い

「白ウサギを追え」というメッセージを受け取り、白ウサギのタトゥーを入れた女性の誘いを受けるトーマス。

クラブに行くと、トリニティーと出会う。トリニティーはトーマスが探しているモーフィアスという人物に会わせると話す。

冒険の拒否

トーマスがエージェントたちに狙われる。モーフィアスが逃げ道を教えるが、諦めて捕まってしまうトーマス。

ベッドで飛び起きたトーマスは夢だと勘違いする。

賢者との出会い

モーフィアスと会うトーマス。

戸口の通過

真実がわかる赤いカプセルを飲み、本当の現実世界で目覚めるトーマス。

試練、仲間、敵

今はおよそ2199年。現実だと思っていた世界は機械の作り出した仮想現実『マトリックス』であり、現実では人間は機械の動力源として管理・支配されていることを知るトーマス。

仲間たちに会い、トーマスは人間を救う救世主だと言われる。

エージェントは強大な敵であり、訓練をするトーマス。

最も危険な場所への接近

仲間のサイファーがエージェントに、理想のマトリックスを得る代わりにモーフィアスを渡すという取引をする。

最大の試練

マトリックスにいる予言者と会い、救世主ではないと言われるトーマス。

モーフィアスか自分の命かを選ぶ時がくると話す。

サイファーが裏切り、仲間たちが次々と殺され、モーフィアスはエージェントに捕まってしまう。

報酬

サイファーを倒し、現実に戻ってくるトーマスとトリニティー。

帰路

モーフィアスが最後の人間の街・ザイオンの居場所を話してしまう前に殺すしかない。

復活

トーマスはモーフィアスを助けると決意し、トリニティーとともにマトリックスに向かう。

モーフィアスを救うが、殺されるトーマス。

しかし復活し、救世主の力を得たトーマス。エージェントを倒す。

宝を持って帰還

機械に宣戦布告するトーマス。

映画『マトリックス』のテーマ

冒頭、トーマスがディスクを隠していた本はジャン・ボードリヤールの「シミュラークルとシミュレーション」という哲学論文です。

読んだわけではないのですが簡単に言うと、『現代社会では記号が本当の意味から解き放たれている、そしてそれが支配している』。

例えるならば本来学校というものは社会の疑似体験であるはずなのに、現代社会では学歴自体が社会のステータスとなってしまっている、ということです。

高学歴ほど社会的地位が高くなってしまうんですね。学校は仮想空間のはずなのに。

そしてトーマスと予言者のセリフ

人生は自分で決めるもの

これがテーマです。

仮想の肩書きなどに惑わされずに、現実を見て決めよう。

エージェントやモーフィアスのセリフに『納税』『税金』と出てきますが、『こんな仮想現実な社会に何も考えずに税金払っているだけでいいのか?』と監督は尋ねているように思えます。

監督たちは税金を払うことが一番ムカつく瞬間だったらしいですよ。

映画『マトリックス』をさらに詳しく

『ヒーローズジャーニー』ともう一つ大切な要素『三幕構成』を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。
パソコン画面。トリニティーとサイファーの会話。

続けてトリニティに突入する警官たち。エージェントからの脱走。

モチーフである仮想空間を表すコードから入ります。

振り返って見ると、ここからすでにサイファーがエージェントに情報を売っていると分かります。

すでにエージェント側がモーフィアスたちを追い詰めている状況から物語が始まっているということです。

警官との戦いでトリニティーとエージェントの身体能力の高さを見せつつ、アクションで一気に観客を引き込ませます。

最初の会話や電話などを説明をしないことで、『どんな世界なんだろう?』と好奇心も掻き立てられますね。

エージェントもスーツにサングラスと、一瞬で見分けられる特徴を持たせています。敵は機械全体ですが、その敵の象徴として具体的に作られたキャラクターがエージェントです。

会社でトーマスに説教をしている上司のセリフで、社員の問題は会社の問題。マトリックス全体の人間はマトリックスの一部と同じことを言っていますね。

エージェントとの尋問で、トーマスの口が繋がったり機械の虫が出たりと、トーマスとともに観客もこれが夢の世界なのか現実なのか惑わせていきます。

モーフィアスと会い、赤いカプセルを飲む。これが第一ターニングポイントです。

第一幕では多くの謎を散りばめ、第二幕で答えを示していきます。

第二幕

第二幕の前半はヒーローズ・ジャーニーと同じ段階を踏んでいきます。

電池だったトーマス(日常世界)が目覚め、モーフィアスと出会い(賢者との出会い)、マトリックスの正体を知り(冒険への誘い)、一度は拒絶しますが(冒険の拒否)、受け入れて訓練を始める(戸口の通過)。

SFの世界観なのにカンフーアクションというギャップが面白いですね。

モーフィアスとトーマスの戦いでトーマスの才能を見せると同時にモーフィアスの強さも見せ、のちのエージェントの強さを示す伏線にもなっています。とても分かりやすい対比の表現方法ですね。

訓練を終えるとエージェントとイカ野郎、それらを倒す方法も説明します。

説明を終えると敵視点へ。サイファーが内心思っている後悔とエージェントとの取引シーンを見せます。

サイファーの贅沢な食事の対比で、お粥のようなものを食べている食事シーンへ。戦いの前の一休みするシーンですが、マウスの話はテーマに沿った内容で興味深いですね。

予言者に会うためにマトリックスに入るトーマスたち。トーマスはまだマトリックスと戦う覚悟がないため、唯一サングラスをかけていません。

そしてデジャブのシーンからラストまで一気にテンポが上がっていきます。

『信じる力』もテーマの一つですね。
自分や仲間を信じることで問題を乗り越えていきます。たとえ救世主と認められなくても、信じることが力となります。

モーフィアスを助けに行くと決める。これが第二ターニングポイントです。

第三幕

ビル一階での戦い、爆発、ガトリング、ヘリのアクションなどド派手なアクションが畳み掛けてきますね。

その後、トーマスとアンダーソンの個人の戦いへとシフト。

それと同時にイカ野郎の船への攻撃も開始。二つの世界を行き来する特殊な設定ですが、それぞれに絶体絶命の状況を作り出すことでより手に汗握る状況を作り上げています。

駅の戦いで自らを『ネオ』と名乗ることで、自分を救世主と信じ始めたトーマス。

トーマスは一度死にますが、復活して救世主の力を得ます。予言者の言っていた『来世かもしれない』の通りになりました。

ラストシーン。
オープニングの反復で電話とコードのシーン。

サングラスをかけるトーマス。マトリックスと戦う覚悟を持ちました。

さいごに

SFのサイバーパンクな世界観と哲学思想を織り交ぜた見事なストーリー、そしてハリウッドでは目新しいアクション・映像技術、素晴らしい作品でした。

SFだとしてもテーマで人間の感情や信頼、衝動を描くことが重要ですね。

12月17日公開の『マトリックス レザレクションズ』もどんな作品なのか楽しみです!

次回はNetflix』『U-NEXT』で配信中、今敏監督の『東京ゴッドファーザーズ』を研究します!

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1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」で連載スタート。 生粋のリバプールファン。
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