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映画『キング・オブ・コメディ』誰にも名前を覚えられない男、ルパート・パプキン。

こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

第74回movie laboは『キング・オブ・コメディ』。

1982年公開のアメリカ映画。
監督マーティン・スコセッシ、脚本ポール・D・ジマーマン。109分。

第36回カンヌ映画祭のパルムドールにノミネート。
第37回英国アカデミー賞ではさまざまな部門にノミネートされ、ジマーマンがオリジナル脚本賞を受賞しました。

脚本を書いたジマーマンは『ニューズウィーク』誌の映画評論家だったようです。

当初スコセッシは興味が湧かないと断ったようですが、主演を勤めたロバート・デ・ニーロから持ちかけられたために監督を務めることが決まりました。
デ・ニーロは役作りのために数ヶ月間スタンダップコメディアンのステージを見続けたそうですよ。

映画『キング・オブ・コメディ』のヒーローズ・ジャーニー

それでは、ヒーローズジャーニーを見ながら研究していきましょう。

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ヒーローズジャーニーって何?
という方はこちらの記事をどうぞ!!

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。

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日常世界

売れないコメディアン・ルパート。一人有名になった自分のことを妄想している。

古い友人のリタに好意を寄せている。

冒険への誘い/賢者との出会い

人気コメディアンのジェリーにコネを作り、事務所を紹介してもらう。

冒険の拒否

事務所に向かうもジェリーは相手にせず、秘書からテープを送るように言われる。

戸口の通過

テープを渡すも、経験不足だと言われるルパート。ジェリーのアドバイスが聴きたいとせがむが、秘書は相手にしない。

試練、仲間、敵

熱狂的なジェリーの女性ファン・マーシャにも揶揄われるルパート。秘書からは嘘をつかれたと知る。

最も危険な場所への接近

事務所に強引に入るも、警備員に追い出されるルパート。

リタとともにジェリーの別荘に押しかける。ジェリーは激怒し、ルパートはジェリーよりも有名になると罵る。

最大の試練

ジェリーを誘拐するルパートとマーシャ。

報酬

ジェリーを使い、ジェリーのテレビ番組に出演させるよう要求するルパート。

テレビ出演が決まる。

帰路

録画を終え、逮捕されるルパート。ジェリーは自力で脱出する。

復活

リタに自分の出演したテレビ番組を見せるルパート。

宝を持って帰還

一連の騒動で有名になったルパート。出所後、テレビのステージに立つ。

映画『キング・オブ・コメディ』のテーマ

孤立した男の執念はとても危険

これがテーマです。

ルパートは相手との心の距離感がとても重要なコメディアンを志しながらも、相手との会話はチグハグで自分の考えを一方通行させるキャラクターに描かれています。

家の中では母親が登場しますが、劇中では声だけで姿は見せません。設定では生きているのかもしれませんが、画面上ではルパートの空想上の存在のように描かれています。

誰からも認められず孤立した男でしたが、犯罪を犯して誰も見たことのない方法で有名になる。人生・芸能界の面白い部分、皮肉な部分も描かれています。

ラストシーンは現実なのかルパートの空想なのか意見が分かれますが、僕は現実だと思っています。

映画『キング・オブ・コメディ』をさらに詳しく

『ヒーローズジャーニー』ともう一つ大切な要素『三幕構成』を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。
ジェリーのテレビ番組が始まり、ジェリーが登場する。

スタジオの前に現れ、出待ちをするルパート。ジェリーが車に乗り込むと、熱狂的な女性ファン・マーシャも乗り込んでくる。

スタンダップコメディが題材の映画なので、オープニングにそれを提示。

出待ちのファンとのやりとりでルパートも出待ちの常連、しかしサインが目的ではないことがわかります。主要キャラのマーシャも他とは違う目立った登場の仕方をして印象をつけています。ジェリーの人気っぷりもわかりますね。

車内でジェリーに説明する形で、ルパートの職業と現状、願望が観客にも説明されます。

人生を賭けたプレゼンで必死さを感じさせますが、一見するとルパートはまともな人間に見えます。が、ジェリーとの別れ際のしつこさに少し危険な香りを漂わせています。誰が見てもジェリーは嫌がっているのに、ルパートだけは気づかないんですね。

続いてルパートの妄想でのジェリーとのやりとり。妄想シーンが他のシーンと変わらない演出なので、現実なのか妄想なのかわからなくさせていますね。大抵のシーンは妄想とわかるのですが、ラストシーンの伏線です。

リタのバーを訪れるルパート。ルパートはリタのために有名になりたいのですね。ルパートの動機・原動力が示されます。残念ながらルパートのジョークはウケませんが。

ジェリーもリタも別れる時の距離が遠いのは意図的に見えます。そのままルパートとの心の距離です。

わざわざ会社でジェリーに電話するルパート。彼は見栄っ張りな面も持っています。

秘書にテープを送る約束をする。これが第一ターニングポイントです。

第二幕

壁に貼ってある観客の前で漫談するルパート。
これが彼の現状であり、彼の狂気を感じさせるシーンですね。

ジェリーの日常。色々な人に声をかけられたり、突然罵られたり。この罵られるシーンはジェリーが本当に経験したことのようですよ。

会社から追い出されるルパート。これまで少し変な人でも受け入れられていたルパートが、この辺りから徐々に社会から外れていきます。

ジェリーの別荘でのワンシーンから、銃を持つルパートへ繋がる。この早さは素晴らしいですね。ルパートの異常さを感じ取っているのでこの繋ぎになっても急な展開に思えません。

ジェリーがプロデューサーに電話するシーン。ディテールにもこだわりスムーズに行かないところが面白いところでもあり、緊張感があります。

ルパートの出演が決まり、スタジオに入る。これが第二ターニングポイントです。

第三幕

ルパートの行動と同時進行でジェリーとマーシャのやりとり。
マーシャもルパートとはまた違った恋愛の狂気を持っているため、どちらにも緊張感があって面白いですね。

控室のシーン。こんなに静かな逮捕のシーンは見たことないですね。素晴らしいです。

リタのバーに向かい、リタに出演シーンを見せるルパート。彼の動機が判明します。

スタンダップコメディのシーンのデ・ニーロは圧巻ですね。

彼のセリフの通り、一夜にして有名になったルパート。しかしリタの心をつかむことができたのでしょうか。外的なストーリーである芸能界に入り有名人になることができましたが、内的なストーリーであるリタとの幸せはつかむことが出来なかったという悲しいラストです。

さいごに

内面に危険なものを忍ばせながらも、サラリとした個性的なキャラクター・ルパートを見事に描き、ロバート・デ・ニーロも素晴らしい演技でしたね。

次回は『U-NEXT』で配信中の『恋とニュースのつくり方』を研究します!

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ABOUT ME
akira
1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」で連載スタート。 生粋のリバプールファン。
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