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映画『シング・ストリート 未来へのうた』の解説(ネタバレ有)歌うことの覚悟

シングストリート

こんにちは。
akira@akira_movielabo)です。

第65回のmovie laboはシング・ストリート 未来へのうた』。

シング・ストリート

2016年公開の音楽コメディ映画。
監督・脚本ジョン・カーニー。105分。

ダブリン出身のカーニーの子供時代を、半自伝的に描いたものとされています。またバンドメンバーたちはみな無名の俳優たちでほとんどがデビュー作となったようです。

実際のカーニーの母校でも撮影したそうですよ。

また映画主題歌となった『Go now』はマルーン5のアダム・レヴィーンの書き下ろしです。

映画『シング・ストリート 未来へのうた』のヒーローズ・ジャーニー

それでは、ヒーローズジャーニーを見ながら研究していきましょう。

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ヒーローズジャーニーって何?
という方はこちらの記事をどうぞ!!

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。

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日常世界

1985年のダブリン。
大不況でイギリスに向かう若者たちが増えていた。

父は失業し金がないため、コナーは公立学校へ転校させられる。

冒険への誘い/賢者との出会い

学校の前にいたラフィーナを見かけ恋に落ちるコナー。モデルをしているラフィーナの気を引くためにバンドのMV撮影に誘う。バンドを作るコナー。

冒険の拒否

コピー曲を演奏するがロックに詳しい兄・ブレンダンに否定される。

戸口の通過

オリジナル曲を作るコナー。ラフィーナも参加し、撮影が始まる。

試練、仲間、敵

ラフィーナにはエヴァンという年上の彼氏がいた。エヴァンとともにロンドンに行くつもりのラフィーナ。

最も危険な場所への接近

音楽にのめり込むコナー、髪を染め化粧をする。

最大の試練

校長に呼び出され無理やり化粧を落とされるコナー。

報酬

両親がおらず施設育ちのラフィーナから『悲しみの喜び』を知ってほしいと言われるコナー。これこそが人生だと気付き、バンドのテーマにすると決めるコナー。

新曲を作り、ラフィーナにキスをするコナー。

入学当初いじめられたバリーにも立ち向かう勇気と自信を得たコナー。

帰路

両親は別居すると言われ、それぞれの家を行き来するようにと言われるコナーは憤り、兄・ブレンダンとも喧嘩する。

新曲の撮影に現れないラフィーナ。すでにエヴァンとロンドンに行ってしまっていた。

落胆するコナー、偶然ラフィーナを見つける。ラフィーナはエヴァンに裏切られ自暴自棄になってしまっていた。

復活

ラフィーナのための曲を作り、初ライブの準備をするコナー。バリーも用心棒として協力する。初ライブは大成功し、ラフィーナも元気と自信を取り戻した。

宝を持って帰還

仲直りしたブレンダンも協力し、イギリスまでボートで向かうコナーとラフィーナ。

映画『シング・ストリート 未来へのうた』のテーマ

ラフィーナがコナーに知ってほしいと訴えた『悲しみの喜び』。
悲しみの中にも喜びはあると伝えたかったのですが、その喜びを見出せるのは自分自身しかいません。

悲しみを抜け出せるのは自分しかいない

これがテーマです。

大不況だった1985年のダブリンから抜け出すこと、初恋に一歩踏み出すこと、自らの歌を作り出すこと、抑圧する学校に立ち向かうこと、家族から一人の人間として旅立つこと。

これらは全てコナー自身の意思があったからこそ達成することができました。

映画『シング・ストリート 未来へのうた』をさらに詳しく

『ヒーローズジャーニー』ともう一つ大切な要素『三幕構成』を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。
自分の部屋でギターを弾きながら歌うコナー。両親の喧嘩の声が聞こえている。

ロックがモチーフの映画なのでオープニングに提示、主人公はギターが弾けることも同時に説明。家族の状況とそれにうんざりしているコナー。コナーの反応で両親はいつも喧嘩をしていることがわかりますね。曲を自作できる能力があることも説明しています。

続いてニュースを通じて舞台となるダブリンの状況を説明。

さらにコナーの転校が決まる。スピーディーな展開で、5人家族と兄妹も説明しています。

コナーの物語は家族崩壊寸前。崖っぷちの状態から始まり、当然のように転校してきたコナーはいじめられ校長にも目をつけられます。

バリーや校長に対する態度は後のコナーの変化を表す伏線、指標になっています。

音楽だけでなくミュージックビデオをモチーフにしているのが特徴的で、映像を媒体とする映画にも合っていますね。

ラフィーナと出会うコナー。階段を使った上下の立ち位置でラフィーナとコナーの立場を表していますね。コナーが勇気を出して歌ったことで一歩進むことが出来ました。

バンドを組むことになったコナー。楽器や設備をエイモン一人で全て解決していて手っ取り早いですね。テンポ良くバンドメンバーが集まります。

そして兄のブレンダンが賢者としてコナーを正しいロックの道に導いてくれます。

オリジナルソングを作り、ラフィーナも加わってMV撮影をするコナー。これが第一ターニングポイントです。

第二幕

撮影することで距離が縮まるコナーとラフィーナ。
ラフィーナの両親がいない、エヴァンの存在と少しづつラフィーナを知っていきます。エヴァンの去り際もカッコ悪くてあからさまですね。恋敵は魅力的でカッコいいキャラクターにしたほうがより面白かったかもしれません。

さらに新曲が出来、バンドがうまくいき始めたところで、校長の理不尽な暴力がコナーに突きつけられます。

落ち込んだコナーを救ってくれるのがラフィーナ。エヴァンとの微妙な関係や『悲しみの喜び』というテーマを教えてくれます。ラフィーナがロンドンに向かうというタイムリミットを作りました。

テーマを持つことでより強くなったコナー。映画も同じです。バリーに立ち向かうこと、ラフィーナにキスができるようになりましたが、余計な一言を言ってしまいます。まだまだ未熟です。

両親の別居、ブレンダンとの対立、去っていったラフィーナ。と立て続けにコナーを追い詰めていきます。

体育館でのライブは一見華やかですが、コナーの決して叶わない願望が表れておりとても悲しいシーンですね。

初ライブをするコナーたち。これが第二ターニングポイントです。

コナーはラフィーナを誘うためではなく、自分を表現するために歌い始めます。そしてその歌は結果的にラフィーナを救うことになるのです。

第三幕

ライブは成功し、ラフィーナも自信を取り戻しました。
ラフィーナやバリーなどの同世代は自分を取り戻し、両親の問題は解決せずにそのままというのが面白いですね。古いものは置いていき未来にいくコナーのロックを表しています。

ロンドンに向かうコナーとラフィーナ。ブレンダンが託した歌詞はある男女の話。根拠はありませんが、両親のことではないかと思っています。

まるでMVのようなラストシーン。荒波を超え、果たしてイギリスに着くことができたのか……映画の続きは観客に委ねられます。

さいごに

シンプルで的確な展開、そして素晴らしい音楽。
音楽は感性に直結するので上質な音楽でなければ冷めてしまいます。しっかりと曲を揃えてきたカーニーは流石です。とても良い映画でした。音楽が気に入った方はサントラも出ているのでぜひ。

次回も音楽映画特集。ジョナサン・デミ監督の『幸せをつかむ歌』を研究します。

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1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」で連載スタート。 生粋のリバプールファン。
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