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映画『ミッション・インポッシブル/ゴーストプロトコル』の解説(ネタバレ有)常に観客の一歩先を行く男、イーサン・ハント

akira
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こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

今回の深掘り映画は『ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル』です。

2011年公開のスパイアクション映画で、MIシリーズの4作目。
監督ブラッド・バード、脚本アンドレ・ネメック、ジョシュ・アッペルバウム。132分。

ピクサー で『Mr.インクレディブル』『レミーのおいしいレストラン』を手掛けたブラッド・バードの初実写作品。

彼を起用した製作はトム・クルーズとJ・J・エイブラムス、ブライアン・バーグ、さすがですね。
例によって、超高層ビルのブルジュ・ハリーファでの撮影は、トム・クルーズ自ら行ったようです……。

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映画『ミッション・インポッシブル/ゴーストプロトコル』が観られる配信サービス

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。
下の表から自身の使っているサービスで観られるか確認してみてください。

配信状況

サービス配信状況配信種別
U-NEXT定額 ※1
Prime Video定額 ※1
NETFLIX定額 ※1
Hulu定額 ※1
Disney+×
TSUTAYA DISCAS ※3定額 ※1

※1 定額は毎月支払うサービス利用料内で観ることができる見放題作品です。
※2 レンタルは見放題作品に含まれておらず、別途レンタル料が発生します。
※3 TSUTAYA DISCASは宅配レンタルサービスです。

この記事の情報は、2023年12月時点のものです。最新の配信状況はお使いいただくサービスにてご確認ください。

個人的にオススメのVODサービスは、取り扱っている作品数が段違いなU-NEXT

U-NEXTはトライアル期間が1ヶ月あるので、使い心地を自分で実際試せます。まだ使ったことがない人は、ぜひこの機会に試してみてください。

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映画『ミッション・インポッシブル/ゴーストプロトコル』のヒーローズジャーニー

それでは、映画の流れがヒーローズジャーニーの法則に沿って進んでいくのかみていきましょう。

ヒーローズジャーニーって何?

という方はこちらの記事をどうぞ!!

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日常世界

ロシアの刑務所に囚われているIMFエージェントのイーサン。ベンジーとジェーンが脱獄させる。イーサンは刑務所内で情報をくれたボグダンも連れて行く。
モローという殺し屋に核発射コードが奪われてしまったのだ。

冒険への誘い

クレムリンに侵入し、「コバルト」という人物の情報を得るように命じられるイーサン。

冒険の拒否

しかし情報は既に抜き取られており、クレムリンは爆破。ロシアの諜報員アナトリーからクレムリン爆破の疑いまでかけられるイーサン。

賢者との出会い

長官と分析官のブラントに会うイーサン。クレムリンで見かけた男は平和のために核戦争を目論むヘンドリクスであり、彼が「コバルト」だと推測する。ヘンドリクスは核発射装置を盗んでいた。
クレムリン爆破でロシアに疑われているアメリカ政府は「ゴーストプロトコル」を発動し、IMFを存在しない機関にしてしまう。

後ろ盾もないなか、僅かな装備を託し、イーサンに解決を命じる長官。
その直後、ロシアの諜報員らに攻撃され、長官は死んでしまう。
逃げるイーサンとブラント。

戸口の通過

モローは発射コードをヘンドリクスらに売るはず。それぞれ変装して会い、コードを奪い偽物にすり替え、さらにヘンドリクスの居場所を突き止める計画を決めるイーサンたち。

試練、仲間、敵

ドバイの超高層ビル、ブルジュ・ハリーファ。
準備する中で様々な問題が起きてしまい、本物のコードを渡さなければならなくなる。

最も危険な場所への接近

モロー、ヘンドリクスと会うイーサンたち。取り引きが終わる。

最大の試練

しかしモロー、ヘンドリクスに気づかれてしまう。
情報源だったモローは殺してしまい、ヘンドリクスにも逃げられる。

報酬

ブラントの動きからエージェントだと気づいたイーサン。
イーサン不在の時、ブラントはかつてイーサン夫婦の保護監視についていたが、任務に失敗し、イーサンの妻が殺されてしまったとジェーンらに話す。
イーサンは復讐し、刑務所に入っていたのだ。
イーサンはボグダンと再会。核発射に必要な軍事衛星の情報を得る。

帰路

イーサンとブラントは和解し、チームは再び団結する。

復活

インド。
ヘンドリクスは軍事衛星をのっとり、核ミサイルを発射。イーサンらが死力を尽くし、核を無効化する。海に落ちる核ミサイル。

宝を持っての帰還

再会する4人。ベンジー、ジェーンは再びミッションへ。
ブラントは断るが、イーサンが妻の死は偽装だと告白する。指令を受け取り、去っていくブラント。
イーサンも次のミッションへ向かう。

映画『ミッション・インポッシブル/ゴーストプロトコル』のテーマ

どんな困難な作戦だろうと状況だろうと、イーサン・ハントは考え続け、動き続けます。
そして同時に、彼1人では出来ないことでした。

仲間がいればどんな事でも出来る 』

シンプルなストーリーとシンプルなテーマなので、1番の魅力であるアクションに観客をのめり込ませます。

映画『ミッション・インポッシブル/ゴーストプロトコル』をさらに詳しく

ヒーローズジャーニーとは別に、もう一つ大切な要素が『三幕構成』。
三幕構成を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。
ブタペストの街並み。敵に追われるエージェント・ハナウェイ。特殊な道具を使い華麗に敵を倒すが、モローなる暗殺者に殺されてしまう。

まずはブタペスト。ストーリーはそれぞれの場所で一つずつ物語を展開させていきます。
アクション映画なので当然のようにアクションシーンから入って観客をつかみ、重要人物のモローを登場させます。

全編を通して「縦」の動きが多いのが特徴で、このシーンでも屋上から落下というアクションが盛り込まれています。

秘密道具もMIの特徴なので、もちろん見せます。
セリフが無くても大事なファイルが奪われた、というのはわかりますね。

非情な暗殺者でありながら美しい女性のモロー。後のジェーンとの対決も見据えた設定です。

そしてモスクワへ。

檻を解放する際にコンピューター画面も使って見せることで、どんな状況かとてもわかりやすくなっています。

作戦終了のタイムリミットを音楽にしているのもユーモアが効いています。

刑務所の脱獄という緊迫した状況の中で、勝手な行動をするイーサン。「イーサンはなにがしたいんだろう?」とベンジーとともに、観客の興味を引き寄せます。
警備員も襲ってくるのでイーサンのアクションも見せることが出来ています。

これも含めて映画の中で4回のミッションがあり、もちろん簡単に解決したら面白くないので、それぞれ障害を作らなければなりません。
今回はイーサンの勝手な行動、クレムリンではヘンドリクスの登場、ドバイでは機材トラブル・相手に気づかれる、インドでは時間との闘い。
被ってしまうと「またか」と観客は思ってしまいますので、全部違った種類になっています。

そしてタイトル。
定番の音楽が流れるとワクワクしますね。先のストーリーの断片を見せることでよりその効果を高めています。
先のシーンをあらかじめ見せるところは、現代的かもしれません。

その帰路。
ジェーンがイーサンに説明する形でオープニングの詳細を。イーサンもジェーンに情報を教える形で、「コバルト」とモローについて観客に説明しています。

メッセージの公衆電話がうまく破壊されない。細かいですがここでもうまくいかない、という違和感を植えつけます。

クレムリン。
ベンジーのおしゃべりな性格はミッションの緊張感との場違いを出して面白いですね。特殊なスクリーンを使ったうっかりも忘れません。

コバルトの情報が無いとわかった瞬間から、一気に状況を悪化させます。
サスペンスでもあるため、悪役のヘンドリクスはイーサンたちよりもさらに先に行動を開始しています。
その後の病院からの脱出も縦の動きですね。

賢者である長官から状況の説明と指令、物資、そしてブラントにも引き合わせます。
説明から襲撃までワンシーンに収めているのは見事です。
列車に乗り込むところも簡単にはやらせません。

ベンジーたちとともに計画を決意するこれが第一ターニングポイントです。
モローの確保、コードの入手、ヘンドリクスの居場所を突き止める、の3津の目標が設定されます。

第二幕

ドバイでのシーンがそのまま第二幕です。
前半は計画の準備の中での障害に直面・解決していきます。

車内。分析官のフリをしているブラントに説明する形で、作戦の詳細がわかります。ラクダが邪魔をする、これもまたうまくいかない違和感です。

ブルジュ・ハリーファを縦から映すことで、高さと形状を見せていますね。
そして手に汗握る壁登りのシーン。縦の動きですね。風の音もより臨場感を際立てています。
ここで砂嵐を提示。ゴーグルも伏線になっています。
壊れて飛んでいく手袋も、音や動きが小動物のようで面白いですね。
帰り道ももちろん簡単にはいかせず、オチのユーモアも忘れません。

サーバー問題が解決したと思いきや、レオニドの同伴、マスクの故障という問題が浮上。
目標の一つ、コードのすり替えは出来なくなりました。

「変装なし」「本物のコードを渡す」と危険度をマックスに上げて、それぞれ接触します。

作戦がうまくいったと思いきや、やはり失敗。

モローとレオニドが死ぬことで情報源が失われ、二つ目の目標も失敗。

最後に残された目標、ウィストロム(ヘンドリクス)を捕まえられるかどうかのアクションに集中させます。
そしてこれも失敗。イーサンらをどん底に突き落とします。

準備→作戦開始→相手に気づかれる→闘い

と、この一連のシーンでも三幕構成が出来上がっています。

第二幕の後半はブラントとイーサンの過去、再び結束までを描きます。
観客には提示されていた電話相手からの連絡が入り、ボグダンが再び登場。

観客とヘンドリクスよりも先を見ていたイーサンの行動が、再びチャンスをもたらします。

チームが再び団結し飛行機に乗り込む。
これが第二ターニングポイントです。

第三幕

飛行機の中ではジェーンとイーサンがシリアスなシーンに、ベンジーとブラントがコミカルなシーンになっています。

ここまでアクションはなく、一度観客を落ち着かせてからクライマックスへと向かいます。

パーティー会場でブラントとジェーンが見せ場を作り、最後にベンジーとイーサンが活躍します。
今まで裏方だったベンジーが最後に撃ち殺すのも、彼の成長を描いています。
ブラントのコンピューター室へ落下するのも縦の動き、イーサンとヘンドリクスの立体駐車場での格闘シーンも縦の動きが盛りだくさんですね。
最後にアナトリーに「病院行くか?」というユーモアでオチ。

ラスト。
今まで観客にも伏せていたイーサンの妻の死も偽装だったことがわかります。
イーサンは妻の死を乗り越える話、と思いきやそれすらも解決している。
常に観客よりも先を行く完璧な存在、まさにイーサンはヒーローでした。

さいごに

それぞれのキャラクターの内面を描きつつ、不可能と思える作戦(外的ストーリー)を成功させる。
シンプルながら迫力満点のアクション盛りだくさんのとても面白い映画でした!

次回は新垣結衣・瑛太主演の卓球ロマンスコメディー映画『ミックス。』を研究します!

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– fin –

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ABOUT ME
akira
1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」をスタート。 生粋のリバプールファン。
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