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映画『インサイド・ヘッド』の解説(ネタバレ有)幸せな人生になるために必要なものとは?

インサイドヘッド

こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

第43回の movie labo は『インサイド・ヘッド』。

画像引用元:ⓒ Pixar Animation Studios

2015年公開のアニメ映画。
監督ピート・ドクター、ロニー・デル・カルメン、脚本ピート・ドクター、メグ・レフォーブ、ジョシュ・クーリー。94分。

ピクサー 第一作目の『トイ・ストーリー』から20年後に公開されたため、ピクサー 長編アニメーション20周年記念作品とされています。

原題は「inside out」裏返しという意味の様です。

映画『インサイド・ヘッド』のヒーローズ・ジャーニー

それでは、ヒーローズジャーニーを見ながら研究していきましょう。

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ヒーローズジャーニーって何?
という方はこちらの記事をどうぞ!!

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。

インサイド・ヘッド』は、『Disney+』で視聴ができます。

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日常世界

ミネソタ。
ライリーが生まれたと同時に頭の中・司令部ではヨロコビ・カナシミ・ムカムカ・ビビリ・イカリの感情が生まれ、ライリーを幸せにするためにライリーのことを考えている。

両親からの愛され、ミネソタで順調に育っているライリー。たくさんの思い出が頭の中に蓄積され、「特別な思い出」がライリーの性格を作り上げている。

冒険への誘い

両親の都合でサンフランシスコに引っ越すライリー。

冒険の拒否

新しい家は汚く、荷物のトラックも遅れてしまい、父も新しい仕事で不満が溜まっているようだ。

賢者との出会い

カナシミが思い出に触れてしまい、思い出が悲しい思い出になってしまう。前向きになるようにアドバイスするヨロコビだが、うまくいかない。

悪いことばかりだが、母の助言で笑顔を取り戻すライリーとヨロコビたち。

戸口の通過

学校の自己紹介でミネソタが恋しくなり、泣いてしまうライリー。

「特別な思い出」を守ろうとしてヨロコビとカナシミが司令部から飛ばされてしまう。

試練、仲間、敵

司令部に戻ろうとするヨロコビたち。ライリーは父との喧嘩や、ミネソタの友人にも苛立ってしまい、性格が崩れていく。

最も危険な場所への接近

ライリーの子供の頃の空想の友達・リンボンと出会うヨロコビたち。司令部に戻ることを手伝ってくれる。

最大の試練

リンボンの案内でアート思考の世界に入ってしまい、消滅しかかるヨロコビたち。何とか脱出する。

報酬

イマジネーションランドに入り、歌のパワーで空を飛ぶリンボンのロケットを手に入れる。

リンボンのロケットが思い出のゴミ捨て場に捨てられてしまい、落ち込むリンボン。ヨロコビが励まそうとするがうまくいかない。カナシミが話を聞いているうちに元気になったリンボンをみて、不思議に思うヨロコビ。

帰路

司令部に残ったイカリ達が家出を思いついてしまい、ライリーは家出を計画し始める。

急ぐヨロコビ、カナシミを置いて司令部にいこうとして、リンボンとともに思い出のゴミ捨て場に落ちてしまう。

イカリ達は家出を止めようと考え直すが、ライリーは止まらない。親の金を盗みミネソタ行きのバスに乗り込む。

復活

特別な思い出をみて、悲しい思いの上で特別な思い出が出来上がっていたことに気づくヨロコビ。リンボンのロケットを見つけ、リンボンとともに脱出を図る。リンボンは自分を犠牲にしてヨロコビを脱出させる。

カナシミを連れて司令部に戻るカナシミ。ライリーをカナシミに託すヨロコビ。カナシミは家出をやめさせることができ、ライリーは家に戻る。両親に自分の気持ちを打ち明けるライリー。両親も許し、カナシミとヨロコビの混ざった特別な思い出が出来上がる。

宝を持って帰還

成長したライリー。
さまざまな感情が混ざった思い出と新しい性格が生まれている。

映画『インサイド・ヘッド』のテーマ

目標ではなく前提として、感情たちはライリーを幸せにするために動いています。

その上でヨロコビはカナシミの思い出は幸せになるためには要らないものと考え、特別な思い出には触らせない様にしています。

しかし冒険の中でこれは間違い。
真実は裏返しだったとヨロコビは気づきます。

幸せになるために要らない感情はない

カナシミ・ムカムカ・ビビリ・イカリと、ヨロコビ以外どれも負の感情の様に思えますが、それらは生きていく上で避けられないものであり、全部必要な感情だということを教えてくれます。

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映画『インサイド・ヘッド』をさらに詳しく

『ヒーローズジャーニー』ともう一つ大切な要素『三幕構成』を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。
ヨロコビのナレーションと生まれたばかりのライリー。

ライリーの頭の中でヨロコビが生まれ、ボタンを押すとライリーが反応し、初めての思い出が出来上がる。

続いてカナシミ、ビビリ、ムカムカ、イカリも出来上がり、それぞれの色に染まった思い出も溜まっていく。

思い出の中には特に重要な「特別な思い出」があり、それぞれがライリーの性格を作り上げている。

その日の思い出はライリーが眠ると保管場所へ移されていく。

「インサイド・ヘッド」に置いて基本的な設定をライリーの生まれてから11歳までの成長のハイライトとヨロコビのナレーションで説明しています。

映画が始まったばかりは「どういう映画だろう?」と特に観客の関心が高いので、説明ごとは早いうちにまとめてやってしまおうということですね。

感情や思い出、性格の島など人間の概念的なものを色やキャラクター、球など視覚的に表現されていてとてもわかりやすく描かれています。

映画は視覚的なメディアなのでとにかく何でも視覚的に表現することがとても大事です。

ヨロコビはカナシミがまだ良くわからないこと、リンボンなども提示されています。

そして「引っ越し」という外部からの強制的な変化によって冒険が始まります。

新しい家についた直後のやり取りで、ヨロコビは負の感情の思い出の数を気にしている、思いつきの電球も見せています。

さらにカナシミが思い出に触れると悲しい思い出に変化する。特別な思い出が外れると性格の島が停止し、ライリーの行動も変わる。

などなどより詳しい設定をキャラクターを動かしながら説明。感情を擬人化していることで出来た説明の仕方ですね。

カナシミを前向きにしようとするヨロコビ、カナシミにうんざりするヨロコビのやり取りで、映画のテーマを提示。ここまで15分ですが情報盛りだくさんのシーンの連続です。

引っ越してから良いことのないライリー。ヨロコビは超前向きな性格ですが、他の感情からは幸せになることがないと責められます。

他の感情達はヨロコビの仲間なはずなのに、孤立してしまう。

このシチュエーションはとても重要で、主人公は苦しい立場に置かれている方が面白くなります。

しかし母の助言で救われるヨロコビ。

不満ばかりな新生活でも、笑顔を見せて父を励まし、自分も元気になる。

世の中一辺倒なものではないということを教えてくれており、本質的にヨロコビ達も出来ていましたが、これからの冒険を通じてヨロコビ達もそれをしっかりと理解して行動できるように変化していきます。

ヨロコビとカナシミが司令部の外に吹き飛ばされる。これが第一ターニングポイントです。

第二幕

ヨロコビとカナシミが司令部に戻るという外的なストーリーが生まれます。

良くない状況を家の中の暗い照明・ライリーの服装も暗い色、などここでも視覚的な工夫があります。

両親の頭の中も登場。ライリーはヨロコビ、母はカナシミ、父はイカリ、とリーダーとなる感情がその人の本質的な性格を表しているようですね。

性格が無くなることで島の崩壊。とこれもわかりやすい表現。しかも迫力もプラスされています。

ガムのCMソングが司令部に送られたシーンでイカリの新聞に「試練の始まり」とさりげなく書いてあります。まさにこれから試練が始まり、友情の島も崩れ去ってしまいます。

そして新たな仲間・リンボンの登場。子供の頃の空想の友達とはとても良いアイディアですね。アートの世界での表現もアニメーションらしいアイディアです。

ヨロコビのいない司令部はすぐに思考が悪化。ホッケーの島も崩れ去ります。

捨てられるリンボンのロケット、壊される子どもの国の城やぬいぐるみ。ライリーの成長とともに子どもの頃の発想や世界は崩れ去ることを提示しています。

そして落ち込むリンボンをカナシミが話を聞くことでリンボンは元気を取り戻す。

ヨロコビのカナシミに対する考えが変わるきっかけがここから始まります。

ライリーが眠ってしまう試練を乗り越えるために頑張るヨロコビとカナシミ。しかしそれがライリーの家出をさせてしまうことに繋がってしまいます。

そしてカナシミを置いて司令部に戻ろうとしてしまうヨロコビ。

リンボンとともに思い出のゴミ捨て場に落ちてしまう。これが第二ターニングポイントです。

第三幕

捨てられた「悲しい特別な思い出」を見つけるヨロコビ。さらに「特別な思い出」の中にも悲しい思い出が含まれていたことに気づくヨロコビ。カナシミを連れて司令部に向かうことを決意します。

リンボンの自己犠牲によってゴミ捨て場から脱出するヨロコビ。

やはり子ども時代の記憶は消えてしまうものでしたが、リンボン最後のセリフとなった反復セリフといい、素晴らしい退場の仕方でした。

トランポリンと理想の彼氏の伏線を回収し、クライマックスらしくダイナミックにカナシミを連れて司令部に戻るヨロコビ。

映画の序盤では出来なかったこと。ヨロコビはカナシミにライリーを託し、カナシミは家出を止める。

さらにヨロコビとカナシミが一緒にボタンを押すことで新たに二つの感情をもった特別な思い出が出来上がることで、この映画の答えに辿り着きました。

ヨロコビだけでなくカナシミや他の感情全てがライリーの幸せには必要なことだったのです。

さいごに

エンドロールを除くと86分という比較的短い時間ですが、充実した内容のストーリーでした。

そもそもライリーの成長を見守るという構図自体が大人の感情移入しやすい設定なので、より深く感動できる物語に仕上がっていますね!

次回は『Disney+』で配信している『ズートピア』を研究します!

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ABOUT ME
akira
1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」で連載スタート。 生粋のリバプールファン。
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