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映画『2番目のキス』の解説(ネタバレ有)愛すること=呪い?

こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

第35回の movie labo は『2番目のキス』です。

2番目のキス画像引用元:ⓒ 20th Century Studios


2005年公開のスポーツラブコメディ映画。
監督ピーター・ファレリー、ボビー・ファレリー。脚本ローウェル・ガンツ、ババルー・マンデル。103分。

1997年のイギリス映画『fever pitch(邦題:ぼくのプレミアライフ フィーバーピッチ)』のリメイクで、出演しているドリュー・バリモアは製作も担当しています。

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コロムビアミュージックエンタテインメント

当初プレーオフで敗北する脚本だったようですが、撮影中にレッドソックスが86年ぶりにワールドシリーズ制覇をしたため急遽結末を変更したようです。

映画『2番目のキス』のヒーローズジャーニー

それでは、ヒーローズジャーニーを見ながら研究していきましょう。

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ヒーローズジャーニーって何?
という方はこちらの記事をどうぞ!!
『ヒーローズジャーニー』とは。物語の王道法則から読み解く映画研究

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この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。

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日常生活

2番目のキス画像引用元:ⓒ 20th Century Studios

教師をしているベン。生徒の職場見学でエリートOLのリンジーと出会う。

冒険への誘い

ベンがリンジーをデートに誘うが、断られてしまう。落ち込むベン。しかし心変わりしたリンジーから返事が来る。

冒険の拒否

2番目のキス画像引用元:ⓒ 20th Century Studios

リンジーとの初デートだったが、リンジーは体調を崩してしまう。しかし優しく介抱してくれるベン。2人は付き合い始める。

賢者との出会い

リンジーの女友達からも支持を得るベン。しかしなぜ良い人なのにこれまで独身なのか、何か秘密があると疑われる。

戸口の通過

2番目のキス画像引用元:ⓒ 20th Century Studios

ベンは熱狂的なレッドソックスファンであり、それが原因で失敗してきたと話すベン。リンジーも昇格のために仕事を頑張らなければならず、ちょうどいいと受け入れる。

試練、仲間、敵

野球を知ろうと勉強するリンジー。ベンもリンジーの両親に好かれようと努力する。

最も危険な場所への接近

2番目のキス画像引用元:ⓒ 20th Century Studios

野球場でも仕事をするリンジーに苛立つベン。リンジーはもう野球場には行かないと話す。

最大の試練

パリへの出張が決まったリンジー。ベンも一緒にと誘うが、大事な試合があると断ってしまう。生理が来ていないと話すリンジー。
後にリンジーは妊娠していないと分かるが、リンジーはベンとの将来を考えるとレッドソックスに振り回されるのではないかと心配する。

報酬

2番目のキス画像引用元:ⓒ 20th Century Studios

ベンはライバルのヤンキースとの試合を観に行かず、友人の誕生日パーティーにリンジーと共に参加する。リンジーはとても嬉しそうだ。

帰路

しかしその日のレッドソックスは歴史に残る奇跡の勝利をしてしまう。見逃したベンは激しく後悔し、リンジーに怒りをぶつける。深く傷つくリンジー。

復活

2番目のキス画像引用元:ⓒ 20th Century Studios

ベンはレッドソックスのシーズンチケットを売ろうとする。それを知り、野球場まで駆けつけるリンジー。
宝物を売ってはいけないと訴え、2人はキスをする。

宝を持って帰還

2人はレッドソックスを応援している。赤ちゃんが生まれる予定だ。

映画『2番目のキス』のテーマ

ベンはレッドソックスが好き過ぎるあまりリンジーを傷つけてしまい、リンジーはベンが好き過ぎるからこそ、自分のことを考えて欲しいと訴えます。

相手を想うことには、相手の大切なものを理解して、尊重することも必要です。

 

好きなものは
全部2人で分かち合えば良い
 』

 

ベンはレッドソックスを捨てるほどの覚悟をし、リンジーはレッドソックスを受け入れることで、2人は永遠の愛を手に入れました。
好き過ぎることは決して悪いことではないのです。

映画『2番目のキス』をさらに詳しく

『ヒーローズジャーニー』ともう一つ大切な要素『三幕構成』を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

壁に貼られたレッドソックスの写真やポスター。
主人公ベンの友人・アルがベンの幼少期をナレーションで説明していく。

物語の象徴であり、ラストの舞台でもあるレッドソックスの本拠地フェンウェイパークをオープニングに持ってきています。そこでカールの怒号など、レッドソックスファンの振る舞い方を学びます。

帰り道に叔父のカールが話す「レッドソックスに期待しすぎてはいかんぞ」のセリフは物語のテーマを表していますね。カール自身子どもがいないため、もしかしたらレッドソックスにのめりこんだせいで恋に縁がなかったのかもしれません。

そしてタイトル。
様々な所でレッドソックスのフォントを使っており、映画の雰囲気を作り上げています。

生徒たちとの車内の会話のシーン。
大人になったベンが登場します。生徒に注意される、音を大きくしてほしいと言われるなど、生徒の中でベンの立ち位置はそこまで高くないことがわかります。その態度があるからこそ、ベンがリンジーを誘う出来事に繋ぐことが出来ています。

会社でリンジーと初めて出会うシーン。
リンジーの本音と建前が表れて、良い人でユーモアもあり、自己犠牲もあることがわかります。
そしてベンも同じようにユーモアたっぷりです。

生徒に仕事を説明するリンジー。そのセリフで仕事に対して誇りを持っていることがわかります。

リンジーがベンのデートの誘いを断るシーンはカットされています。
カットされることで観客は「答えはどうなのか」と気になり、次のシーンを観たくなります。
もし断るシーンも描かれていたら、次のタッチフットのシーンはただ荒れているだけで特に新しい情報がないため、要らないシーンになります。そうなるとベンは室内ばかりの会話のシーンが続いてしまうので、回避したのかなと思います。

そして次に気になるのは、「なぜリンジーは断ったのか」ということです。それを続くジムのシーンでリンジーが友人と話すことで観客に説明していきます。
仲良しなだけでなく、友人の中のロビンとライバル関係にあるのも面白く、だからこそリンジーが気づかなかった問題、なんとなくエリートだけを相手にしてきた、ベンは良い人なのになぜ独身なのか、などを表面化することが出来ていますね。後に登場するロビンの夫が最後の席を売る相手というのも意図的ですね。悪役をセットにしています。

そして「最初のデート」最悪と思える状況ですが、そういうときの振る舞いこそ人間の本性が出るものですよね。犬がベンと寝ているのも、間違いない証拠です。

映画が始まって23分経って、ベンの部屋が映り熱狂的レッドソックスファンだとわかりますが、それまでレッドソックスに関することはほぼ出てきません。これではレッドソックスをモチーフにしている割にはあまりにも遅い。

そういう意味もあってオープニングでは球場のシーンにしてレッドソックスを提示しています。

ベンがレッドソックスファンを告白し、リンジーが認める。これが第一ターニングポイントです。

第二幕

リンジーの実家でのシーン。父の髪形を母は理解し、「パパは私の更年期を耐えたわ。次は私の番」と話します。
お互いに不満のある時もあるけれど、お互いに理解し、支える。ベンとリンジーのこれからの問題に対する答えが実は提示されています。

「バンビーノの呪い」について次々とエピソードを語る夏の家族たち……好きだからこそ知識が膨大で不満が止まらない、オタクあるあるですね……。
リンジーはレッドソックスを知ろうと本を買って学び、ベンはリンジーの両親に好かれようとゴルフへ。お互いに関係を良くしようと努力しています。

「6月 誘い 気を持たせ じらす」「7月 失速」などのタイトルは、野球のシーズンの展開と二人の関係の変化をリンクさせていて面白いですね。
リンジーが球場に行かないとレッドソックスと距離を取ることで、うまくいっていたはずのベンとリンジーとレッドソックスの三角関係に、徐々に亀裂が入っていきます。

リンジーが学校に来てパリ旅行に誘うシーン。

シーン冒頭は生徒とともに盛り上がるテンションの高いところから始まり、喧嘩をして対立、そして生理が来ていないと重大な問題を提示して終わります。

それぞれ教室→廊下→外と話が変わると共に場所が変わっているのも切り替えがはっきりとしていてわかりやすくなっています。

普段ジョークを交えるベンですが、生徒を厳しく叱るところにも動揺が表れています。

ベンがリンジーへの不満をぶつける相手が子どもの生徒なのも面白いですね。そしてオープニングの叔父と同じように忠告します。「レッドソックスは先生を愛してくれる?」

たった一言だからこそ心に突き刺さります。

そして歴史に残るレッドソックスの勝利を見逃したベンはリンジーと大喧嘩をしてしまいます。

最初から提示されていたレッドソックスが好きすぎるというベンの欠点が、二人の関係を壊滅させることになりました。

ベンがリンジーのアパートへ向かい、やり直そうと話す。

これが第二ターニングポイントです。

第三幕

しかし断られるベン。

そしてレストランのシーン。

リンジーに昇進とベンがシーズンチケットを売るという二つの道が突きつけられます。

一度は仕事に向かおうとしますが、やはりベンのもとへ向かうリンジー。

ベンもリンジーのためにチケットを売ろうとします。

二人とも本当に大事なものに気づき、愛を誓う。そしてレッドソックスの優勝に喜び、赤ちゃんを授かりました。

結果的にすべてを手に入れることが出来たのです。

さいごに

テンポよくユーモアも交えつつ、王道の恋物語。

最後のリンジーの昇進とベンの二択ですが、リンジーは仕事を頑張っていましたがなぜそこまで仕事を頑張るのかが描かれていないので、そこも描かれているとより二択の決断が活きたのかなと思います。
しかし僕自身もリバプールファンで、大事な試合との葛藤は身に染みているのでとても共感できる映画でした!

次回はハリソン・フォード主演、アーミッシュを題材にしたサスペンス映画『刑事ジョン・ブック/目撃者』を研究します。

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– fin –

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1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」で連載スタート。 生粋のリバプールファン。
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