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映画『リメンバー・ミー』の解説(ネタバレ有)音楽か家族か。ミゲルは誰のために歌う?

リメンバー・ミー

こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

第45回の movie labo は『リメンバー・ミー』。

画像引用元:ⓒ Pixar Animation Studios

2017年公開のファンタジーアドベンチャーアニメ映画。
監督リー・アンクリッチ、脚本エイドリアン・モリーナ。105分。

アニー賞で11部門、ゴールデングローブ賞ではアニメ映画賞、アカデミー賞では長編アニメ映画賞と主題歌賞を受賞しました。主にメキシコで行われている「死者の日」をモチーフにした映画ですね。

映画『リメンバー・ミー』のヒーローズ・ジャーニー

それでは、ヒーローズジャーニーを見ながら研究していきましょう。

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ヒーローズジャーニーって何?
という方はこちらの記事をどうぞ!!

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。

リメンバー・ミー』は、『Disney+』で観ることができます。

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日常世界

メキシコの死者の日当日。靴職人一家に生まれたミゲル、ひいおばあちゃんのココのことも大好きだ。音楽が大好きで英雄のミュージシャン・デラクルスを尊敬し、自分の夢もミュージシャンだ。

しかし先祖のひいひいおじいちゃんが家族を捨てて音楽の道に行ったために、一族は音楽禁止となってしまった。

冒険への誘い/賢者との出会い

デラクルスの言葉に背中を押され、隠れてコンテストに向かおうとするが失敗するミゲル。家の祭壇に飾られたひいひいおばあちゃんのイメルダと顔部分が破れたその夫、ココの映る写真にデラクルスのギターが映っていることに気づくミゲル。自分の先祖はデラクルスと知り、家族にミュージシャンになると宣言するミゲル。

冒険の拒否

しかし家族全員に反対され、ミゲルのギターは壊される。出ていくミゲル。

戸口の通過

コンテストに出ようとデラクルスの墓に供えられたギターを盗んでしまったミゲルは死者の世界に行ってしまう。

先祖の死者たちと出会うミゲル。先祖らは生きたまま死者の世界に来たミゲルとひいひいおばあちゃんのイメルダがこちらの世界に来ていないことを解決しようと死者の国へ向かう。

試練、仲間、敵

イメルダと出会うミゲル。現世に向かうためには祭壇に写真が飾られていないといけない。

イメルダの写真を持っていたミゲル。日の出までに家族に許してもらえれば呪いが解けて元の世界に戻れるが、イメルダは音楽禁止の条件付きで許そうとし、ミゲルは断る。

デラクルスに許してもらおうとデラクルスを探すミゲル。デラクルスと友人のヘクターと出会う。現世に戻ったらヘクターの写真を飾ることを条件に、協力関係になる。ミゲルを探すイメルダ。

最も危険な場所への接近

音楽コンテストに優勝すればデラクルスのパーティーに招待されることを知る。コンテストに出るためにギターを借りるミゲル。ヘクターもミュージシャンであった。

最大の試練

コンテストに出るミゲル。ヘクターとともに歌い、ミュージシャンとしての自信を得る。

ヘクターについた嘘がばれ、喧嘩別れしてしまう。ミゲルを見つけるイメルダ。イメルダもかつては音楽が大好きであったが、ココが生まれてから家族のために音楽を捨てるしかなかったと話す。家族は支え合うものと話し、逃げるミゲル。

報酬

デラクルスのパーティーに忍びこみ、デラクルスの前で歌うミゲル。

デラクルスはミゲルが自分の家族と知り、喜ぶ。

帰路

デラクルスがミゲルを許そうとした時、ヘクターが現れる。
ヘクターとデラクルスは生前組んでおり、デラクルスはヘクターを殺して曲を奪い、有名になったとわかる。

デラクルスはヘクターの写真を奪い、二人を口封じしよう深い穴に落とす。

ヘクターの作った「リメンバー・ミー」はココのために作った曲と話し、ヘクターがミゲルのひいひいおじいちゃんだったとわかる。

死者の国では現世で忘れられた死者は「二度目の死」を迎えてしまい、唯一ヘクターを覚えているココの記憶が消えそうになっている。

イメルダがミゲルとヘクターを救出する。

復活

ミゲルは家族の大切さを思い出し、ヘクターのために写真を取り戻すと話す。協力するイメルダ。

デラクルスのコンサートに忍びこみヘクターの写真を奪い返そうとするが、写真を失ってしまう。

デラクルスの悪事がばれ、死者の国での人気を失ってしまう。

日の出が近づき、ミゲルを現世に戻そうとするヘクター。ココに思い出させると話し、現世に戻る。

ココに「リメンバー・ミー」を歌うミゲル。
ココはヘクターを思い出し、ヘクターからもらった手紙と写真の切れ端を渡す。破れた写真と合致し、ヘクターの映る写真が出来上がる。

宝を持って帰還

一年後。
手紙でデラクルスの悪事が発覚し、ヘクターが正当に評価された。ヘクターや亡きココの写真が祭壇に飾られ、ミゲルは生まれた赤ちゃんにも教えている。

現世に先祖やココと一緒に向かうヘクター。ミゲルは家族に歌を歌う。

映画『リメンバー・ミー』のテーマ

映画を通してミゲルに突きつけられる問いは、

音楽と家族、どちらが大事か?

夢を叶えるために犠牲はつきものかもしれませんが、人生の中で夢を叶えることが1番大事ではないのかもしれません。

そしてミゲルにとって1番大事なものに気づいた時、ミュージシャンになるという夢も叶えてしまうのです。

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映画『リメンバー・ミー』をさらに詳しく

『ヒーローズジャーニー』ともう一つ大切な要素『三幕構成』を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。
墓地。メキシコ流の切り絵・パペルピカドのアニメに合わせ、ミゲルのナレーションでミゲル一族の歴史が語られる。

続けて今の家族と生活、音楽禁止が今でも守られている、ミゲルの憧れである亡きデラクルスとその墓、「リメンバー・ミー」、そしてミゲルの夢・ミュージシャンになることを説明。

デラクルスの歌う「リメンバー・ミー」は派手に見せていますが、ラストにミゲルが歌う「リメンバー・ミー」とは歌う意味が異なります。対比するようにこのシーンでは派手に描かれていますね。

「死者の日」がモチーフなので始まりは墓地から。

冒頭のナレーションで物語に必要な情報を一気に説明をしています。『インサイド・ヘッド』でのヨロコビのナレーション、『ズートピア』での演劇、とピクサーがよく使う手法ですね。

ミゲルが靴磨きの相手に話していた体で話は繋がり、物語が始まります。

家の祭壇の前でおばあちゃんがこれでもかと家族の大事さについて語ります。何よりも家族が大事というミゲルがいる環境の宗教観のようなものですね。

さらに顔部分が破れたイメルダ・ココの写真、ココの記憶が曖昧、そして今でもパパのことを忘れていないという情報も差し込まれています。

死者の国に行ってしまう物語なので当然日付としても「死者の日」が関わってきますが、映画の始まりを「死者の日」当日にしたことで物語をとてもスピーディーに進めてくれます。

ミゲルにとっての賢者はデラクルス。家族の反対に悩み夢に進むことを尻込みするミゲルに「チャンスをつかめ」という言葉が後押しになります。

音楽を反対され、ギターを壊される。ミゲルが決定的に孤立したところでギターを盗み、死者の世界に行ってしまいます。これが第一ターニングポイントです。

第二幕

ミゲルの先祖らと会い、死者の国に入っていくミゲル。同時にヘクターの登場。

死者の国と聞くと暗いイメージになりがちですが、とてもファンタジーでカラフルな世界観でメキシコを舞台にした特徴が存分に発揮されていますね。

イメルダと会い、ミゲルの呪いが判明。しかしその解決法は意外にも簡単にわかりますが、ミュージシャンになるためにデラクルスに許しをもらわないといけないというサブストーリーが発生します。

イメルダが現世に行けないのはミゲルが写真を持ってきてしまったから、解決法もすぐに分かるが別の問題が発生して先にそちらを解決しなければならなくなる。

バック トゥ ザ フューチャー』でも、現代に戻るための雷の時刻を知るのは持ってきたチラシ、現代に戻る手段はあっさり解決するが現代に戻る前に両親を結ばせないといけないと、この二つの映画はとても似ているなあ、と思いました。

ヘクターと協力関係になるミゲル。ヘクターとの取引もミゲルが丁寧に言ってくれるのでとてもわかりやすいですね。クライマックスとなるデラクルスのコンサート情報も提示しています。

デラクルスのタワーを見るとき、コンテストでギターを弾く時などに手元を見せてミゲルの骸骨化が進んでいることを見せています。

チチャロンからギターを借りるシーンに描かれているように、「死者の国」でも「二度目の死」という命の危機を設定しています。

ミゲルには日の出までの制限時間、ヘクターには「二度目の死」とそれぞれリスクを設定することで緊張感を作り、より面白くなるようにしています。

ミゲルが初めて人前で歌うコンテストのシーンで、ヘクターとの関係が最高に高まった直後に、ヘクターと喧嘩し別れます。さらにダンテとも別れ、イメルダからも逃げる。「死者の国」でも再びミゲルは孤立してしまいます。

全てを捨ててついにデラクルスと会うミゲル。プールに落ちたミゲルを一目散に助けるデラクルス。デラクルスが良い人だというミスリードを作っていますね。

デラクルスもミゲルの才能に感動し、ミゲルの望みが達成されるかと思いきや、デラクルスの悪事が発覚します。

デラクルスが呪いを解こうとする始まりから、ワンシーンの中でうねりが作られて真逆の結末になる。面白いシーンですね。

このシーンが第二ターニングポイントです。

第三幕

深い穴の中のシーン。
ヘクターも家族とわかり、「リメンバー・ミー」の本当の意味を知るミゲル。

デラクルスは賢者から敵へ、ヘクターはミゲルを助ける人から本当の意味の成長を与える賢者へと立場が変わっています。

ここでヘクターの生者の世界にいくというサブストーリーがミゲルのメインストーリーに合わさってきます。家族を失うわけにはいきませんからね。

ヘクターを救うことが第三幕の目的となります。

アクションでのクライマックスとなるデラクルスのコンサートシーン。

ステージ上で歌いながらの攻防というアイディアは面白いですね。さらにセッションすることでヘクターとイメルダが和解。

コンテストでのミゲルとヘクター、このシーンでのヘクターとイメルダ。歌うことで二人の関係が強くなるように作られていますね。

ミゲルが生者の世界に戻り、物語のクライマックスとなるココとのシーンへ。

ココの記憶が蘇り、失ったヘクターの写真と名誉が復活、と全ての問題が解決されました。

ラストシーン。

ヘクターは家族とともに生者の世界へ。

家族のために歌い、音楽を通じて家族の絆を語り継ぐミゲル。

これまで対立していた二つの答えが一つになり、ミゲルは新たな答えに辿り着きました。

さいごに

104分という短い中にぎゅっと詰め込まれた物語、そして普遍的かつ人が忘れてはならないテーマを描いた素晴らしい映画でした。
ピクサーの中でも一番好きな作品です!

次回は最後にピクサー最新作『ソウルフル・ワールド』を研究して、ディズニープラス特集を終わりにしようと思います!

お家映画をもっと楽しくしたい人は、ぜひコチラの記事も読んでみてください。

ABOUT ME
akira
1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」で連載スタート。 生粋のリバプールファン。
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