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映画『くもりときどきミートボール』の解説(ネタバレ有)自分を認めてくれる人はきっといる。

こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

第73回movie laboは『くもりときどきミートボール』。

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ソニーピクチャーズエンタテインメント

2009年公開のアニメーション映画。監督・脚本フィル・ロード、クリストファー・ミラー。90分。

原作は1978年に出版され100万部を超えたベストセラー絵本です。

のちに『LEGOムービー』や『21ジャンプストリート』を作るフィルとクリストファータッグのデビュー作ですね。

映画『くもりときどきミートボール』のヒーローズ・ジャーニー

それでは、ヒーローズジャーニーを見ながら研究していきましょう。

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ヒーローズジャーニーって何?
という方はこちらの記事をどうぞ!!

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。

日常世界/賢者との出会い

スワローフォールズという島に住む発明家のフリント。
子供時代から発明をしていたが、いまいちな作品ばかりで周囲から変わり者と馬鹿にされ、父には自分の釣具屋で働くように言われている。亡くなった母だけが自分を認めてくれていた。

冒険への誘い

イワシしか取り柄がなくイワシばかり食べている島を救うために水から食品を作る装置を開発するフリント。ニュース番組で島の気象予報をするためにサムがやってくる。

冒険の拒否

一度目の実験は失敗、二度目の実験では島を巻き込んで騒動を起こしてしまい、島民や父から呆れられてしまうフリント。装置は空の彼方へ飛んでいく。

戸口の通過

空からチーズバーガーが降ってくる。実験は成功した。

試練、仲間、敵

市長や島民とサムに別のメニューを求められ、それに応えるフリント。

さまざまな食品が降ってきて、島が生まれ変わる。

サムに惚れたフリント。

最も危険な場所への接近

市長が島の復興のために観光計画を企てる。協力し装置を稼働し続けるフリント。装置の限界が近づいていく。

最大の試練

父には不自然な現象だと非難されるが、反発し喧嘩してしまうフリント。食品の異常をサムは警告するが、無視するフリント。ついに装置に限界がきてしまい、巨大食品の異常気象が島を襲う。装置を止めようとするフリントだが、市長のせいで装置への通信装置が壊れてしまう。

報酬

絶望するフリントだが、父がフリントを励まし、装置を止めるために立ち上がるフリント。

空飛ぶ車を作り、サムや仲間と装置を直接止めに向かう。

帰路

巨大なミートボールのようになった装置。生き物のように攻撃してくる食品を仲間と力を合わせて潜り抜け、一人装置へと向かうフリント。

復活

自らの発明品を使い装置を破壊するフリントだったが、大爆発に巻き込まれる。

宝を持って帰還

生還したフリント。父に讃えられ、サムとキスをする。

映画『くもりときどきミートボール』のテーマ

子供時代から変わったものを発明をし、周囲から浮いていた主人公のフリント。

しかし最後には父や島民たちから認められます。

どんな変わり者でも、
人のために尽くせば認めてくれる

これがテーマです。

元はと言えばフリントの発明の暴走によって大騒動となりましたが、その発明はフリントがイワシばかり食べる島の人々を救うため。そして命をかけて装置を止めに行きました。

善意から人のために頑張ってきたフリントだから父や島の人々の心を打ち、認めてくれたのです。

そしてこれまで努力してきた発明が問題解決に使われているのもうまいですね。無駄な努力はありません。

映画『くもりときどきミートボール』をさらに詳しく

『ヒーローズジャーニー』ともう一つ大切な要素『三幕構成』を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。空。フリントのナレーション。変わり者だと思われ、周りに理解されないと嘆く。スプレー・シューズを開発するが、クラスメイトに馬鹿にされ泣いてしまうフリント。ママはフリントを理解し、励まし、白衣を渡す。再びやる気を取り戻すフリント。

フリントの内面のドラマを作り上げるエピソードをオープニングに持ってきていますね。父と母のフリントへの対比も描き、親子の絆もテーマに組み込まれています。もちろんスプレーシューズも伏線です。一番最初に登場する発明品なので印象に残りやすいですね。

続いてフリントの成長とたくさんの発明品の紹介。全て伏線です。

フリントの背景とキャラ紹介が終わったら、舞台となるスワローフォーズの説明。映画のメインストーリーへと繋がります。テンポが早く、緩急のついたギャグもあってセンスを感じますね。

母が亡くなり、父と二人になった親子の現状を説明。ブレント、市長、アール、サムも登場。それぞれのキャラクターの特徴(過去にイワシのCMで有名、野望がある、息子を愛している)も手短にしっかりと見せています。逆にカメラマンのマニーは何も見せないことが伏線になってますね。

大騒動を起こしていまうフリント。水槽の中から皆に見られるアイディアはとても良いですね。

サムとの初めての出会い。サムのガリ勉という秘密を抱えたキャラ説明とフリントの理解してもらった嬉しさがうまくリンクしていて素晴らしいです。

さらなる料理の雨を要求され、応えるフリント。これが第一ターニングポイントです。

同時に市長の計画もスタートしている点も素早くて良いですね。

第二幕

父の顔のギャグや装置の名前、猫の動画のギャグなど細かいユーモアが楽しいですね。

大好物、アレルギー、スティーブはグミで興奮するなど食べ物に関する色々な要素も物語に組み込まれ、たくさんのアイディアを考えたんだろうな、と思います。

アールの存在も父の気持ちを知るキーとなっていますね。ほんとに無駄がなくそれぞれが繋がっています。

アールのエピソードで親子の絆を、ゼリー城のエピソードで本当の自分を出すべきだというテーマと、サムとのラブストーリーを進めます。

全てうまくいくかと思ったら、父との喧嘩、料理の巨大化など不穏なシーンが続き、それでもなおフリントは装置を稼働し続けてしまう。フリントを動かしてしまう『もっと認められたい』という理由には同情してしまいますね。

映画の半分ほどのところで、スパゲッティーの竜巻が発生。ここからアクションシーンが中心になっていきます。

絶望したフリント。父が白衣を渡して復活し、装置を止める決意をする。これが第二ターニングポイントです。

第三幕

アールの演説も食べ物に絡ませていてお見事です。この世界観なら食べ物が自発的に動いても不思議に思いませんね。

油の障害と同時に父のコンピューター音痴も織り込んで内容のこいシーンにしています。ただの道を歩いているときに父とのやりとりをしているよりよっぽど面白いですね。ダム決壊で島民たちの山場もしっかり描いていてさすがです。ブレントの変化もパンツからチキンへと衣装の変化を使ってしっかりと視覚的に見せています。

危機的状況でのフリントとサムの告白。これも二つの要素を一つのシーンにまとめているのでより面白くさせています。

メールが違うなど最後まで盛り上がらせて、スプレー・シューズで解決。

ラストシーン。

ネズミ鳥のおかげで生きて帰ることができたフリント。父の本音を聞き、和解する二人。サムともキス。フリントはたくさんの愛を手に入れることができました。

さいごに

子供向けかと思いきやしっかりとした物語と内面のドラマを作り上げたフィル・ロード&クリストファー・ミラーコンビはデビュー作からさすがでしたね。

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ソニーピクチャーズエンタテインメント

次回は『U-NEXT』で配信中、マーティン・スコセッシ監督の『キング・オブ・コメディ』を研究します!

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ABOUT ME
akira
1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」で連載スタート。 生粋のリバプールファン。
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