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映画『バリー・シール/アメリカをはめた男』の解説(ネタバレ有)あなたは『順調か?』に答えられる?

こんにちは。
akira(@akira_movielabo)です。

第79回movie laboは『バリー・シール/アメリカをはめた男』。

2017年公開の伝記クライムアクション映画。
監督ダグ・リーマン、脚本ゲイリー・スピネッリ。117分。

ダグ・リーマンは『ボーン・アイデンティティー』や『オール・ユー・ニード・イズ・キル』などが有名で、アクション映画がとても上手な監督ですね。

本作でもアクションは少ないですがシーンのテンポ良く、いい意味で力を抜いて観ることができる映画となりました。

映画『バリー・シール/アメリカをはめた男』のヒーローズ・ジャーニー

それでは、ヒーローズジャーニーを見ながら研究していきましょう。

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ヒーローズジャーニーって何?
という方はこちらの記事をどうぞ!!

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。

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日常世界

大手航空会社のパイロットをしているバリー。
航空技術は超一流だ。こっそり密輸をして小銭を稼いでいる。

冒険への誘い

CIAから敵地の偵察という仕事を持ちかけられる。

冒険の拒否

危険な仕事と感じ取るバリー、また妻・ルーシーにも怪しい仕事だと反対される。

賢者との出会い

しかし日常に退屈していたバリーは受け入れることができず、CIAと仕事を始める。
家族が増えるバリー。

戸口の通過/試練、仲間、敵

さらにバリーは情報の運び屋、コカインの密輸も同時に始める。各組織のレーダーを掻い潜りながら仕事をするバリー。

最も危険な場所への接近

警察に捕まってしまうバリーだが、CIAに仕事と引き換えに釈放してもらう。

最大の試練

CIAの仕事はさらに危険度が増し、銃の密輸も始める。

報酬

仲間を増やしてコカインの密輸も同時にし、大金を得るバリー。

帰路

徐々にFBIやDEAがバリーに近づいていく。密輸していた銃がカルテルに流れていることに気づいたCIAは作戦を中止し、バリーを見捨てる。

FBIらに捕まってしまうバリー。

復活

政府に雇われ釈放されたバリーはカルテルの密輸の証拠をつかみ、政府に渡す。だがカルテルに裏切りがバレてしまい、政府にも見捨てられる。家族を安全な場所に移すバリー、一人で逃亡するも暗殺される。

宝を持って帰還

後悔はないバリー。
ルーシーら家族は日常を過ごしている。

映画『バリー・シール/アメリカをはめた男』のテーマ

そいつは本当に信頼できるのか?

これがテーマです。

CIA、カルテル、ホワイトハウスと色々なところと仕事をしてきたバリー。上辺ではいい関係で信頼しているようですが、バリー自身も彼らを裏切り、バリーもまた彼らに裏切られて最後は殺されてしまいました。

本当の意味でバリーを信じていたのはルーシーだけであり、バリーも最後までルーシーや家族のことを想っていました。

本当の信頼はそう簡単に手に入るものでもなく、そしてどんなことがあろうと揺るがないとても強いものなのです。

映画『バリー・シール/アメリカをはめた男』をさらに詳しく

『ヒーローズジャーニー』ともう一つ大切な要素『三幕構成』を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。
1978年ごろのアメリカの状況。飛行機の操縦をしているバリー。

誰にも気づかれずに飛行機を揺らす悪戯をする。

こんなアメリカの状況で大金を稼いでいたバリー、という企画なので当時のアメリカの状況を説明しなければなりません。最初にそれを処理し、続いてバリーの仕事の説明。実際に仕事をしているシーンが一番手っ取り早いですね。やってはいけない悪戯をするところにすでにバリーの本質が見えてきます。バリーの悪戯とは知らず、乱気流という言葉を信じてしまう乗客。すでにこのシーンからテーマの『信頼』を感じ取ることができます。乗客はまさかパイロットがわざと揺らしているなんて思いませんよね。信頼があるから素直に言葉を受け取っています。このシーンが偶然なのか意図的なのかはわかりませんが、良い映画はあらゆるシーンやセリフでテーマを表していることが多いです。

妻・ルーシーがおめかしして待っていることも二人の愛の強さを感じさせますね。

CIAのシェイファーの交渉を通じて観客にもバリーの技術の高さを説明。

映画の基本に沿って考えるならば、借金をして金がないから仕方なく仕事をする、なのかもしれませんが危険な仕事に魅力を感じるという動機は逆にバリーらしくて良いと思います。

コカインの密輸を成功させる。これが第一ターニングポイントです。

CIAの仕事をするところも転換点かもしれませんが、時間配分とCIAの仕事を2年続いていたため日常と化している、カルテルに協力しなければ殺されることはなかったという点でターニングポイントをここにしました。

ここでの動機は金、そしてカルテルにクビにしろと言われてムキになる。負けず嫌いもバリーらしいです。飛び立つ瞬間と戸口の通過がリンクしていて美しいですね。

第二幕

二幕に入るなりいきなり警察に捕まってしまうバリー。バリーの記録でもありますが、これからどんどん状況が悪化していきます。バリーの記録を通じてアメリカの状況とバリーの仕事を説明。ただのナレーションにしないように工夫されています。

突然の引っ越しにも従うルーシー、最初に怒るパターンももちろんありますが展開の早さを重視していて良いですね。もちろんのちにルーシーも怒りますが、大金とCIAを言われたらそりゃ言葉を失いますよね。

第二幕の前半は上り調子のバリー。どんどん仕事が拡大していきます。大金を得ますが、それは同時に危険度が増していくことでもあります。それを皮肉っている質問が『順調か?』という言葉ですね。決してバリーは『順調』と答えません。コックピットの中での行為はこの映画ならではですね。

映画が始まって55分、物語のちょうど真ん中のあたりでJBが登場。ここからバリーの物語に不穏な空気が漂ってきます。

金の隠し場所に困り、JBが勝手に金を使ってしまう。仕事中にDEAに見つかってしまう。FBIがミーナに目をつける。さらに危険な密輸をカルテルに頼まれる。JBが逮捕され、殺される。逮捕されることと死の危険がバリーに近づいていきます。

さらにCIAが撤退。シェイファーもバリーの裏切りに気づきました。そしてついにバリーが逮捕されてしまいます。各組織が順番に逮捕にやってくる展開は他の映画で見たことなく、最高なアイディアですね。

が、何者かによって釈放される。これが第二ターニングポイントです。

第三幕

政府に雇われ、カルテルを裏切る行為をするバリー。非常に危険な仕事ですが、もはやバリーにとって金でもプライドでもなく、それ以上に大切なものとなった家族に迷惑をかけないために仕事をします。

カルテルに裏切りを気づかれ、政府にも裏切られるバリー。家族と最後のひと時を過ごし、ルーシーらと別れます。

そして殺されてしまうバリー。その後、ルーシーもシェイファーも働きます。どんなことがあっても人間みな働くのです。

さいごに

何をやってもかっこいいトム・クルーズが徐々にドツボにはまっていく才能を持ったバカな男を見事に演じ切りました。ドキュメンタリータッチでノリの良い音楽、シーンのテンポが良く切れ味のいいラスト、とても素晴らしい映画でした。

次回はU-NEXTにて配信中の『フィラデルフィア』を研究します!

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ABOUT ME
akira
1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」で連載スタート。 生粋のリバプールファン。
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