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映画『ブロブ』の解説(ネタバレ有)最狂アメーバが暴れ回るモンスター映画の秀作

ブロブ

こんにちは。
akira@akira_movielabo)です。

第63回のmovie laboはブロブ』。

1988年公開のSFホラー映画。
監督チャック・ラッセル。脚本チャック・ラッセル、フランク・ダラボン。95分。

1958年の『マックイーンの絶対の危機』のリメイク。チャック・ラッセルはこの次の作品に『マスク』を作り、そちらの方が有名ですね。

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ワーナーホームビデオ

脚本のフランク・ダラボンは『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』、『ミスト』など名作の監督・脚本を務めています。

映画『ブロブ」のヒーローズ・ジャーニー

それでは、ヒーローズジャーニーを見ながら研究していきましょう。

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ヒーローズジャーニーって何?
という方はこちらの記事をどうぞ!!

この記事はネタバレも含むので、1度観てから一緒に考察していくのがおすすめです。

ブロブ』は『U-NEXT』で無料視聴ができます。

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日常世界

小さな田舎町。アメフトのエース・ポール、チアガールのメグ。不良のブライアンが住んでいる。

冒険への誘い

隕石が落ちてくる。隕石の中にブロブを見つけたホームレスが襲われる。

冒険の拒否

苦しむホームレスがブライアンの前に出てくる。異変に気づいたブライアンがホームレスを追いかける。

賢者との出会い

メグとデート中のポールがホームレスを轢いてしまう。ホームレスを郊外の病院に連れていくブライアンたち。

戸口の通過

ブロブがホームレスを殺し、メグの前でポールも殺してしまう。

試練、仲間、敵

ポールの友人スコットらも襲い、成長するブロブ。下水道へ逃げていく。

警察が動き出し、ブライアンが疑われるが証拠はなく釈放される。両親にも信じてもらえないメグ。

最も危険な場所への接近

メグはブライアンにも協力を求め、二人で行動することになる。

さらに成長したブロブがブライアンのいるカフェに現れる。

最大の試練

ブロブに襲われるが、冷凍庫に逃げ込み難を逃れるブライアンたち。

保安官も殺されてしまう。

報酬

ホームレスのいた場所を訪れるブライアンたち。政府の生物研究所集団と出会い、リーダーのメドウズからブロブは宇宙からの細菌だと説明される。

帰路

隔離という名目で街まで輸送されるブライアンとメグ。ブライアンはメドウズらを疑い、脱出する。

街に戻ってきたメグ。映画館を襲うブロブから弟を連れて下水道に逃げ込む。

メドウズらの話を盗みぎきし、ブロブは政府の実験生物だとわかる。

メグが危険だと知り、下水道に向かうブライアン。

復活

メグらを救出し下水道から脱出するブライアン。さらに成長したブロブが地上に出てきて暴れ、メドウズらは殺される。混乱の中寒さが弱点だと気づくブライアンたち。

スノーメーカーを使いブロブを倒す。

宝を持って帰還

生き残ったブライアンとメグ。九死に一生を得た神父は生きているブロブの一部を持っていた。

映画『ブロブ』のテーマ

モンスター映画は主にモンスターの存在自体が人間の罪や業を表していることが多く、『ブロブ』も例外ではありません。

ブロブも人間が作り上げた兵器であり、その代償を支払う物語となっています。

それだけでなく、他の人間の悪い面も表しています。街の人々は証拠もないのにブライアンが犯人と決めつけていました。もし信じていればもう少し対処が早かったかもしれません。

ブライアンに対する偏見。

そしてラストでは神父による宗教の暴走が新たなブロブを作ろうとしています。

人間の愚かさは身を滅ぼす

これがテーマです。

映画『ブロブ』をさらに詳しく

『ヒーローズジャーニー』ともう一つ大切な要素『三幕構成』を用いてワンシーンずつみていきます。

第一幕

オープニング。
宇宙から地球、そして街へ。誰もいない街。と思いきや、アメフト会場で盛り上がっている住民たち。

大きいものから小さいものへ。SFっぽいフォントと宇宙からの飛来物視点で、不吉な予感させます。

誰もいない街でもうすでに何かが起きている……と思わせてからの、盛り上がるアメフト会場。ひねりを加えた小さな街あるあるですね。

アメフトのエース・ポールとチアガールのメグ。これもB級映画の典型的な主人公あるあるの設定であり、フリでもあります。

続いて本当の主人公であるブライアンの登場。バイク乗りで橋の飛び越えの伏線を張り、ホームレスも登場させています。

さらにバイクの故障がブライアンの行動へと続く動機にもなっています。

のちに重要な場所になるカフェでのシーン。ウェイトレスと保安官を紹介し、ちょっとしたドラマもセットアップ。小さな街なので、モンスター映画の中で保安官がどう行動するのかはとても重要なポイントです。保安官の行動で物語の説得力が変わります。

また保安官のブライアンに対する態度で、ブライアンが街でどう思われているのかもすぐに説明することが出来ます。

ブライアンはバイクの工具を借りに工場へ。スノーメーカーを紹介。カフェのシーンでスキーが売りの街を説明しているので、特殊なスノーメーカーがあってもすんなりと受け入れることが出来ます。

薬局のシーンでスコット、神父、メグの父親などサブキャラクターを一気に登場させ印象付けさせます。

のちに出てくる『さざ波』のギャグはさすがですね。

小さな街なのでメグの父親がポールの人間性を知らないのはおかしいですが、目をつぶりましょう。

ホームレスを襲うブロブからのゼリーでシーンを繋げ、メグの母親とケビン・エディを紹介し、映画に行く計画を説明。

ケビンのジッパーが壊れているところなどしっかり説明していて丁寧ですね。

ここまでで説明すべきことは全て終わり、物語が加速していきます。

病院のシーン。ポールが最後の電話でメグとブライアンが関わっている情報を伝えることで保安官の次の動きにスムーズに繋げることができ、ポールはお役御免。モンスター映画において最も素晴らしい形で退場させます。

ブロブが人を殺し始める。
これが第一ターニングポイントです。

ポールの電話もそうですが、ブライアンの優しさをメグが見たり帰り際に警察に捕まったブライアンをメグが見たりと細かい行動や心情が次の行動へ繋がらせていてすごく上手いです。

第二幕

事態は悪化。
ブロブはスコットらを殺す。ブロブの行動もスコットの車と病院の位置関係や地下道へ移動と丁寧に描いているので説得力があります。

カフェのシーンでブライアンとメグがぶつかり合ったのち、タッグが結成。その場所を提供したウエイトレスと保安官によるブライアンの潔白・街の警察の状況説明という役割が終わり、退場してもらいます。同時にブロブの弱点も説明。

異常なパワーを持つブロブの殺し方はえげつないですね……その表現もお見事です。

再び下水道に潜るブロブ。同時に神父の伏線も張っており、同じシーンは繰り返しません。

メドウズらと出会うブライアン。ここもオープニング同様宇宙人と思わせて政府の組織、とひと工夫加えています。

二幕の後半でブロブは政府が作った細菌兵器だと判明します。

ブロブに襲われるビッキーや映画館のスタッフに指輪やヨーヨーを持たせて印象付けているのも流石です。ただの一般人も大切にしています。

輸送されるトラックでブライアンとメグのタッグは解散。メグはケビンを救うために行動し、ブライアンは政府の悪事を暴きます。それぞれが命懸けの行動をしているために緊張感が素晴らしいです。

ここでもエディの兄がメグの行動を伝えるなどやはり丁寧です。

橋の伏線を回収し、メグを救いに向かうブライアン。
これが第二ターニングポイントです。

第三幕

ブロブの正体がわかり、第三幕はアクションに絞ります。

ブライアンがメグと再会。さらにメドウズらと対決し、クライマックスへ。

スノーメーカーの伏線を回収し、最後の最後までハラハラさせてブロブを倒します。

そして神父が語るラストシーン。人間の罪はまだ償われてはいませんでした……

さいごに

モンスターもののB級映画ですが、細部に職人技が光る素晴らしい語り方。
舐めてかかると度肝を抜かれる素晴らしい映画でした。

次回からは音楽が素晴らしい映画たちを特集します!
まずは『U-NEXT』で配信中、黒沢清監督の『トウキョウソナタ』を研究します!

お家映画をもっと楽しくしたい人は、ぜひコチラの記事も読んでみてください。

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akira
1990年生まれ。 映画を、物語・シナリオの側面から深く「面白さ」を知ってもらうために「movie labo」で連載スタート。 生粋のリバプールファン。
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